第38話:Game(is Over?).32




 「うっ………うっ……………」

 ナナの瞳から、涙は溢れ出す。


 「怒るなら、怒れ。今度は帰らねーから。」
 そんな彼女をつよく抱きしめて、薔は言ったのでした。



 「怒りませんよ!もうっ、嬉しくて仕方ないんですよ!」
 「何気に、怒ってんぞ?」


 ギュ―――…

 「うぇぇ………」

 薔の濡れたシャツを掴んで、ナナはうれし涙を流す。


 「うぅっ…………」

 やがて、彼女の頬を両手で挟み込んで、その涙を薔は、やさしく拭っていきました。




 「ゲームじゃ、ないなら、どうなるん…っ、ですかぁ?」
 肩をふるわせて、ナナが尋ねると、

 「恋愛になるだろ、」

 応えた薔は、


 そっと、彼女の濡れた鼻先に、くちびるで触れたのでした。




 (うわぁ…、なんかもう、おかしくなりそう、)
 ナナは、ぽーっとしてきてしまっていて、

 ツ―――…

 熱い息を吐く彼女のくちびるを、親指でやわらかく、薔が撫でております。



 「好き、です………」
 そのくちびるから、ナナが愛を振り絞ると、



 ふたりは見つめ合った。



 穏やかな風が、棚引いてゆく。




 そのなかで、音も立てず、ふたりはくちびるを重ねた。



 やさしく染み入る、想い深きキスだった。




 「ん……………」
 すこしキスがつよくなってから、

 「は……、ぁ……っ、」

 くちびるを離して、触れ合う距離で見つめ合う。



 「ん…………ん…っ、」

 その後は、もうちょっとつよく、音を立てるようなキスを交わしたのでした。






 …――はい、この物語のタイトルは変わりませんが、どうやらはじめから、ゲーム《遊戯》ではなかったようです。


 《禁断》ついてるから、きっと問題ない!








 ですから、はじめから、《恋愛》つまり、LOVEだったんです!





 …――GAME OVER?


  ...but,

 It was not a game something from the start.



  It is LOVE...surely!!

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