第38話:Game(is Over?).32






 そんなこんなんで、正午をお知らせします。




 全国ネットで生放送なため、街頭の大画面でも番組は流れていた。


 『本日は、夏休み特別企画として、只今人気No.1女優、最上 佐江子の記者会見をお送りいたします!』



 カメラが回って、フラッシュとかもたかれるなか、最上と社長、薔と沖里が登場した。

 「ちょっと、あたしの椅子、なにこれ?」
 文句を言おうとした最上ではあったが、カメラが回っております。

 んで、

 「そちらは、夕月さんの、指示でございます…」

 ひそひそと、スタッフが告げた。


 「え?夕月さま、いらしてるの?」
 すると、最上の表情は、やたら明るくなった。




 「佐江子、ここは君の魅力を、夕月さんにアピールするチャンスでもある。」
 「わかってるわよ。」

 社長と、声を潜めたあと、最上は、


 「本日は、わざわざ、ありがとうございま〜す!」

 動物嫌いのくせに、猫をかぶった。




 (けっ、出たよ。)
 液晶を通してない会場は、かなり内面しらけており。


 (てか、あの男の子、いいな!)
 んでもって、隣の薔のほうが注目されていたが、彼は無関心な様子で席に着いていた。



 こころはただ、夕月の隣にいるナナへと向かって。









 「やっぱり、有名人だったよ―――――――――――っ!!!!!!」


 テレビだの大画面だののまえで、そう叫んだ人はかなりおった。

 旅館の女将、(バ)カップル、金魚のおじちゃん、ゴルゴンゾーラ崇拝女子、etc…




 「えええ!?暮中が、テレビに出てるよ!?」
 横科は、テレビのまえでブラシを落とした。


 「三咲さんは、どうしたの!?」
 葛篭は、白いハンカチを握りしめる。


 「ぇえ?とうとう、生放送になっちゃったよ!でも、三咲は!?」
 吉川は、テレビを掴む。



 そんでもって、

 「おじいちゃんのハゲ頭で、テレビ見えないよ〜。」

 細宮家には、夏休みの孫達が帰省をしていた。


 「ちょっと待ってよ〜。おじいちゃんの大好きな薔くんが、ついにテレビに出ちゃったんだよコレ〜。ナナさんがいるはずだから、見物料〜。」
 「よくわからないよ、おじいちゃん〜。」

 細宮校長は、テレビのまえでぴょんぴょんしております。


 「はやくDVDに録画して〜!おじいちゃん、機械音痴〜!」
 「ぎゃ〜!なんかすんごいひとだね〜!任せて〜!おじいちゃん〜!」

 孫達は、DVDデッキに走り寄る。



 「ところでおじいちゃん、このひととは、どういう関係〜?」
 「我が校の、生徒だよ〜。」

 「ええええええ〜!?」


 細宮ズ・グランドチルドレンは、びっくり仰天した。



 何気に、かわいい孫達との、至福のひとときを味わう、校長先生でした。

[ 426/550 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る