※第37話:Game(from Back).31





 「え……?」
 ドキンとしまくったナナのまえで、

 「おまえは二度イったが、俺はまだイってねーぞ?」
 妖艶にもほどがある姿で、薔はシャツを脱ぎ捨てた。


 パサ――――…

 ところどころ、あかく染まったシャツが、窓辺に舞い降りる。


 ゴク…

 ナナは、またしても息をのんだ。



 月光が、裸になった上半身を白くうつくしく、後ろから照らし出し、艶やかに煌めく黒髪がかかる、誘うような瞳もうるんでナナを見つめている。



 「来いよ。」

 この言葉に導かれ、ゆっくりとナナは、薔へと歩み寄った。




 「はぁ………」
 目のまえに立ったナナの頬を両手で挟み込む薔は、エロティックな息づかいで、彼女をすっと見つめる。

 目を逸らしたいほど近くで見つめ返すナナは、全身が火照って仕方ない。


 「ンなかわいい顔されたら、堪んねーだろ?」
 ふっと、薔は囁きかけて、つよくナナを抱きしめた。

 「はぁっ…………はぁ…っ……………」
 抱きしめたまま、淫れた息を吐いて、背中やら肩やら腕やらを、両手で愛撫してゆく、薔。

 「あ…ぁ……っ、」
 大好きな匂いに包まれて、ナナはカラダを反らし、声をあげながらふるえる。


 キュ―――…

 細くてながいゆびさきが、肌にやさしく食い込む。


 そのうちに、ナナを抱いたまんま、取り出していた指輪をさり気なく、薔はもとのゆびにはめていった。


 ちゅ

 その、指輪が戻った手を取って、そっとゆびにキスを落とすと、

 「おまえなら、わかるだろ?」

 キスしたゆびを絡めて、片手でナナの髪や頬を撫でながら、薔は囁きかけました。




 …――本能が、あなたを求める。





 タン―――――…

 ふたりは、窓にカラダを寄せた。


 ツ――…

 両手のゆびを絡めあい、ゆっくりとうえに伝わせてゆく。


 チュッ

 音を立てて、甘くキスを交わした。


 「はぁ………はぁ…………」
 くちびるが触れ合ったまま、熱い息も絡めて。



 「好きにしていい……」

 薔は、甘く囁きました。




 「うん……」
 いざなわれて、連れ出された本能のなか、火照り過ぎたナナは頷く。

 カラダをくっつけて、おもむろに首すじへと舌を滑らせてゆき、

 「あ……………」

 微かな声をあげた薔は、彼女の腰に両手を当てている。



 鎖骨を舐めているナナのあたまを、梳くように薔が撫でると、

 ゆっくり、舐め堕ちていった。




 「…はぁ…っ、」

 薔の胸元をつよく抱いて、舌とくちびるを這わせてゆく、ナナ。

 すでに乳首は硬く起っていて、舐めまわすと、なんともいやらしい感触があたまを支配してゆく。


 「んん…………」
 背中を窓に当てて、すこしだけ薔のカラダは滑り落ちた。


 「ぁ…あ…っ、はぁ…っ、ん……、」

 そして彼はせつなくカラダを捩っているので、疼いて仕方ないナナは、舌をつかって胸を濡らしてゆく。


 「はぁっ……、はぁっ……、あ…ぁっ、」


 もはや、胸元だけではなく、激しい息を吐きつづけるくちびるも艶やかに濡れていた。

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