※※第34話:Make Love….3





 「ん……っ、」

 抜いたあとは、絡みあって縺れあって、重なりあって、熱いキスをつづけていた。


 「好きだ……ナナ………」

 「わたしも……好き……好き……薔ぅ………」

 そして愛も囁きあって、確かめあって、高く浮かびあがるかのごとく深く堕ちていったのだった。





 その夜、久しぶりにナナはお泊まりしたのでした。











 ―――――――…

 つぎの日の、朝。

 「おまえはまだ、寝てろ。」

 見送りはベッドのうえか、起き上がった薔はナナのあたまを撫でていた。


 「でも…、」

 んでもってナナも、伸ばした手で彼の腕に触れていますがね。


 「俺は寄るとこができたからな、早めに行くよ。」

 薔は微笑みかけてから、

 ちゅっ

 ナナにそっとキスを落として、


 「行ってくる、おやすみ。」


 そう、囁いたのだった。








 …果たして、彼にできた寄るとことは、何処だったのかな?



 やがて起きてから、ポーッとリビングで花子をなでなでしていたナナは、そのことについても想いを馳せていた。










 ――――――…

 撮影スタジオの椅子に、いつものごとく薔はふんぞり返っていた。

 「いやぁ、昨日熱だしたからどうなることかと思ったが、彼は絶好調だね!」
 「ほんっとに!てゆうか、なんか、色気増してない?」


 …ジッ、


 「た、確かに!絶好のシャッターチャンスだ!」





 こんなまわりの会話は、いっさい薔には聞こえておらず、彼はただ、ネックレスを真剣に眺めていた。




 「あれ?珍しい!それいまかなり流行ってるようですが、ほとんど女子にですよ!」
 「あ?」

 そこをすかさず、若いアシスタントの女性ふたりが、薔へと声をかける。

 ふたりはやたら、はしゃいでいた。


 「アルファベットのしか見たことなかったんですが、数字のもあったんですねぇ!」
 テンション高いこの言葉に、

 「“N”がなかったんだよ。」

 ネックレスを見たまんま、薔は言いました。


 「え?もしかして薔くんは、彼女、いるの?」
 「当たり前だ。」

 …そうだったんだぁっ!


 「羨ましいよ、その子が!しかし、なぜに、“セブン”を?お誕生日とか?」

 興味津々の、おふたりですがね、


 「違ぇよ、」


 ようやくふたりに視線を向けた薔は、はっきりと言いました。




 「セブンじゃねーよ、“ナナ”だ。」








 「おおおっ!?」

 ドキッとしたふたりに向かって、

 「ちょっと!そこで薔くん口説いてないで、ちゃんと働いてよぉ!」

 呆れたように、ほかのスタッフが声をかける。




 「すっ、すみません!」

 ふたりがバタバタと、走っていったあと。





 「なぁ、」

 そこの空間にはひとりしかいなかったが、ちゃんとふたり、いて、




 「ずっと、一緒だよな。」




 ネックレスに向かって囁いた薔は、瞳を閉じ、


 ちゅ


 掲げるようにして、そのネックレスの“7”の部分に、そっとくちづけたのだった。











 Wherever it may be in,

  …We are together all the time.

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