※※第34話:Make Love….3





 まずは手でそっと触れると、

 「ん…………」

 せつなげに瞳を閉じ、薔はすこしだけふるえる。


 そのまま撫でるように、ナナが手を上下に動かすと、

 「ふ……っ、」

 彼は身を捩って、枕に顔を半分うずめた。



 「ねぇ、薔、」
 すこし動きを緩めて、ナナは薔へと語りかける。

 「ん………?」
 うっすら瞳を開いて、枕に顔を任せてはいるが薔もナナを見つめる。


 「わたし、ヴァンパイアだから、男の人の体とか、けっこう、見たことあるんだけど、」
 「ん………、」

 ナナは処女だったが、そういう光景は目の当たりにしていたらしい。


 「興奮って、いうのかな?ぜんぜん、しなかった、どこを、見ても、」
 「ん…っ、」

 ついちからがこもってしまった動きに反応して、薔はビクッと瞳を閉じた。


 「でも、薔のカラダは、ぜんぶ、キレイで…、おかしいくらい、興奮、しちゃうの……、」

 ここまで、確かに告げたナナ。




 「ナナ………、」
 すると、ナナにまっすぐ向いて、薄く瞳を開けた薔は囁きかけた。


 「会えねーあいだ、ひとりで…、シたか?」


 と。




 「え…………?」
 キョトンとしたナナは、思わず動きを止めてしまって、

 「つづけて?」

 うるんだ瞳で、ねだる薔に欲情して、再び動きだした。


 「はぁ…っ、」

 いったん瞳を閉じてから、吐息を漏らして、

 「俺は…、おまえで、抜いたよ……」

 囁くように、薔は明かしたのでした。



 「えと、」
 なんとなく意味が理解できて、嬉しすぎたナナは手でかなり扱いていて、

 「あ…っ、だか、ら………」

 激しくカラダを反らしてから、すっと瞳を開いた薔は囁きを落としたのでした。


 「そのぶん…、たっぷり…、かわいがれよ、な……?」






 「うんっ、」
 悦びがナナを支配して、動きをつよめる。

 「は…っ、あ………」
 片手はシーツへと伸ばしてきつく掴むと、髪を乱して薔は身を捩る。


 「好き…、薔、大好き………………」

 会えなかった間がおそろしく長く感じられて、愛おしさはあふれ出す。


 「はあっ、はあっ……」

 ナナのしたで、薔は熱い息を吐いていた。




 かなり硬くなってから、

 チュ―――…

 そっとナナは、ソコへキスをしてゆく。


 「ふぅ…っ……ん、」

 甘えた息で、枕を掴んで口元に押し当てた薔だが、

 「ん…………」

 ナナがくちに咥えていったため、

 「あ…あぁ……っ、」

 ガマンできず枕を離してから、吐息みたいな声を上げた。




 「ぁ…っ、ナナ…、そこ……」
 こみ上げる声と息で、せつなげではあるが、薔はうっとりしている。

 「んん…………」

 くちびるで扱くナナは、唾液を使って濡らしてゆく。


 「はあ…ぁっ、あ…っ…」

 もはや、ナナのあたまに両手を乗せて、薔はカラダを捩っていたのだった。

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