第29話:Game(&Beside).26




 …かぁぁぁぁあぁっ!!

 いろいろ思い出せた昨夜の出来事と、目のまえの薔の姿がドッキングして、ナナは無言で大赤面した。


 「やっと、ひとつに、なれたな。」

 そして、体勢だの動きだのはそのままで、彼はやさしくつづけます。



 「あぁ、ナナ、好きだ。」

 瞳を、眩しそうに、細めて、

 「おまえは、どうなんだ?」


 薔は問いかけた。



 「ゎ、わたし、も……、」
 相変わらず真っ赤でモゴモゴする、ナナの、

 プッ―――…

 くちびるに、そっと、触れて、

 「聞かせろよ、このくちびるで。」

 フッと、微笑む、薔。



 「んんん、好き…なんです…、」
 ナナは真っ赤で、せつなく瞳をうるませて、こころから、告げた。

 「かわいい、」
 そんな彼女の耳から首すじを、薔はそっと愛撫してゆく。


 ナナの心臓は張り裂けんばかりに脈打っているが、手触りがあまりにも気持ち良すぎた。



 そのしなやかな手を、背中まで這わせて、

 「愛してるよ、ナナ。」

 ギュ

 薔は、ナナをつよく抱きしめる。


 「わたしも、…大好き。」

 ナナもつよく、抱きつく。



 朝から、ベッドのなかで、あつく抱きしめあっていた。





 そしてナナは、抱きついて肌を撫でてしまったあとだが、声だの勇気だの真っ赤で振り絞った。


 「あの…、お、お洋服、は?」




 「あぁ、そーいや、着てねぇな。」
 別になんてことなく、薔はナナを抱きしめたまま、いま気づいたようだ。

 「か、風邪でもひいたら、どうするん、ですか?」
 ナナは、振り絞りつづけますがね。

 「おまえがいるから、大丈夫なんだよ。」
 こう返してきた、薔は、


 「ん…、だから、あたためて?」


 甘く囁いて、さらにつよくナナを抱きしめた。



 「………………!!」

 いい匂いだの、甘い声だの、締めつけられるナナは、気絶してしまってもおかしくないほどで。


 「ナナ、」

 耳もとで、そっと名前を呼ぶ薔を、必死で抱き返したのだった。



 んでもって、彼が着ていたTシャツは、いつの間にかナナの腰部分にかかっていたんだとさ。

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