※※第28話:Make Love!.1





 しばらくして、親指と舌をそっと抜くと、薔はナナのあたまを撫でてからゆっくりと起き上がった。


 「ゴムつけるから、待ってろ。」


 この言葉のあと、彼はナイトテーブルの引き出しから、コンドームを取り出しました。


 ナナはもう火照りすぎて、ただ、ぼーっとしており。
 そんな彼女のまえで、差し支えない程度にしたを脱ぎ、ソコに被せてから、薔はナナと正常位になった。


 「あ…当たって……ます……………」
 「しっかり感じろよ?」
 目を逸らしたくなるほどの激情を抑え込み、ナナは薔を見つめている。


 「ずっと、おまえとこうしたかった……」

 やさしく瞳を、細めて、



 「ゆっくり挿れるが、痛かったらすぐに言え。」



 ほんとうに、ゆっくりと、薔はナナの中へと挿入してゆきました。





 「んあっ………ほんとに………入っ…て………………」
 あまりの感覚と行為に、ナナは瞳をうるませる。
 「痛てぇか?」
 真剣に薔が問うので、
 「痛くは……ない………です………………」
 正直にナナも答えてから、


 「ただ…………スゴイ…………………」


 彼女は涙を一粒、零した。



 「かなしいか?」
 静かに薔は問い、
 「ちが…っ………うれしい…ん……です………………」
 必死で否定するナナは、


 「嬉しい………ありがとう…………薔………………」
 これ以上の涙を堪えるため、ただ、笑った。


 「あんま可愛い顔すんな。激しくしたく、なるだろ?」

 薔は笑い返して、





 「それは俺なんだ。ありがとう、ナナ。」





 確かに彼は、ものすごくやさしい声で、初めて“ありがとう”を言った。

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