※※第28話:Make Love!.1




 「え?ベッド?」
 ナナはキョトンとする。
 「おまえが声出すから、ここじゃできねーだろ?」
 んでもって薔は、流し目で彼女を見ている。


 ……えええ!?


 ナナは真っ赤であたふたするが、

 「それとも、俺でオナるか?」

 彼は意地悪に、笑いました。


 「はいぃ!?」
 ナナはとりあえず、真っ赤になった。

 「どーせオナるなら、指示してやるが、」
 そんな彼女のあかいほおに触れて、

 「んな必要ねぇだろ?」

 言い聞かせるように、薔は微笑む。


 「はい…………」
 自然とナナが返事をしたあと、

 「なら、行こうか、」

 またしても違う雰囲気漂わせ、薔は立ち上がり彼女に手を差し伸べた。


 「は、はい……………」
 手を引かれて、ナナは彼とマンションへ戻っていった。















 バタン―――――…

 いま閉められたのは、玄関ではない。

 寝室のドアである。



 ふたりはベッドのうえで折り重なると、薄明かりのなか抱きあってキスをした。

 息が止まりそうなほど、眩暈がするほどに、激しいキスだった。




 やがてくちびるを離し、

 「ナナ、」

 瞳をうるませる薔は、ナナの頬を両手で挟み、くるしげに告げます。

 「おまえが好きで、仕方ねぇ。もう、ガマン、できねーんだよ。」


 「あ、の………」
 ただ熱く息をして、ぼーっとしてしまうナナの、

 チュ――――…

 首すじからしたへと、薔は何度もキスをしていった。


 「んあ…っ…………」
 快感にふるえるナナに、
 「ここなら、いくらでも声出せ。」
 くちびるが触れる距離で、薔は力強く囁いた。


 「あ……でも……………」
 「でも、じゃねーよ。」
 すこしだけ躊躇うナナを抱いて起き上がると、

 クイ――――…

 彼女のTシャツを掴んで押し上げ、やさしく強引に薔は脱がしました。


 「んっ……………」
 抵抗しなかったナナは、ブラもつけていないため、上半身ハダカになった。


 パサッ

 脱がしたTシャツを、ベッドの下へと落として、

 「あぁ、かわいい顔が、隠れちまったな。」
 呟いた薔は、片手で抱いたまま、ナナの乱れた髪を整える。


 しなやかな手つきが撫で回すようで、ナナはキュッと瞳を閉じ、ときどきビクッとふるえたのだった。

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