※第27話:Game(I'm Toy).25




 「あ、あの…………」
 赤くどぎまぎするナナのまえで、薔はゆっくりと起き上がった。

 「ほら……………」
 そして右手を、彼女の腰に回す。


 「脱がせよ…………」
 妖しい微笑みに、導かれるがままに。


 ナナは両手で薔のTシャツを掴むと、丁寧に押しあげてゆき、両腕を上げる薔からそっと、脱がしたのだった。


 パサッ―――――…


 掴んだ彼のTシャツは、ナナの太股のうえへと舞い落ちた。




 ―――――…

 腕を落とした薔は、うつくしいカラダをあらわにさせて、乱れた髪のまま静かにナナを見つめていた。

 「どーした?」
 急に聞かれてはっとすると、やっぱり見とれていたことに気づく。
 「うわぁ……!スミマセン、見とれてました………!」
 素直に答えると、

 「全部、おまえだけのモンだぞ?」

 薔は微笑んだ。


 いざ目のまえにして言われたナナは、恥ずかしさや愛しさや、色々混じり合ってドキドキしまくった。



 すると、

 「なにして遊ぶ?」

 鼓動が張り裂けんばかりのナナのまえ、乱れた髪をかきあげた薔は囁きのごとく問う。
 「あ、遊ぶって………」
 恥ずかしさのあまり、真っ赤で目をそらしたナナの、

 クイ――――…

 顎を持ち上げ自身に向けさせ、

 「カラダは反らしても、目は逸らすな。」

 はっきりと薔は言って、ナナのうえにあった自身のTシャツを掴むと、床に落とした。


 「あ、の…………」
 心地よい香りに、ナナのあたまはクラクラと麻痺し出す。

 「好きに扱えよ。」
 親指で、そんな彼女のくちびるに触れて、
 「全部くれてやるよ。権利も、支配も、クソ喰らえだ。」
 誘うように、妖しく微笑んで、



 「俺はただ、おまえだけのモノになりたい。」



 力強く、薔は囁きかけました。

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