第26話:Game(on Holiday).24





 短い、意味深な説明のあと。


 オープニング・テーマが、流れだした。
 かなり激しい、ロックだった。
 かっこいい歌で、ゴルゴンゾーラさんの世界観には合っていた。

 「え?なんか、めちゃくちゃキレイな絵ですね!今のアニメって、すごいんですね!」
 「おまえは、いつと比べてんだ?」
 普通に会話はしていますが、ナナは薔を膝枕したまんまです。
 ちなみに彼女はミネラルウォーターのキャップをちゃんと閉めて、手に持っております。

 「おぉお………!」
 やたら、感動するナナ。


 すると、

 オープニング・テーマがサビにさしかかったところ、

 『君を縛れないなら 鎖なんていらない』

 こんな歌詞の部分で、

 ゴルゴンゾーラさんは、上半身ハダカで、ベッドのうえにてなんだか誘っていた。


 (ぇぇぇぇえ!?)
 ナナは仰天した。
 (ちょっとーっ!ゴルゴンゾーラさん!かわいすぎるこけしちゃんがいるのに、なにをやってるんですかーっ!?)
 んでもって、ちょっと赤面する。
 (それに、この状況で、そういうのはやめてくだ)
 「おい、」

 ………………はい?

 こころで意見するナナだが、はっとしてしたを見ると、またしても不機嫌そうに、薔は彼女を見上げて言った。


 「なに喜んでんだ?」


 ぇぇぇぇぇぇえ!?

 「まったく喜んでませんよ!戸惑ってばかりですよ!」
 ナナは、必死で弁明しますがね。

 「んな見てぇなら、あとで見せてやるよ。」

 うぎゃあ―――――――っ!!

 こう返ってきちゃったので、真っ赤になると、本編が始まるところでしたとさ。




 『…私の推理に狂いはない。しかし君は、私に狂っているんだよ。』
 ゴルゴンゾーラは、依頼人の女性にすごいことを言っていた。
 それを言われた依頼人は、もじもじしながら、
 『……………はい。』
 と、消え入りそうに言った。

 (ぇえ?ゴルゴンゾーラさん、そんなこと言う探偵は、犯罪者だよ?)
 ポカンとツッコむナナだが、まぁ普段を考えてもみてよ。


 『私に、抱かれたいんだろ?』
 『………………はい。』
 この会話のあと、

 『ん………………』
 なんとゴルゴンゾーラは、依頼人の女性を抱いてキスをしていた。

 (ぇぇえ!?大丈夫!?)
 仰天したナナだが、

 …………………はっ!!

 とした。

 (うわぁ!どうしよう!?本当に、キスとかやめてほしいよ!)
 状況が状況なので、赤くなって困惑しまくった。

 「…………………。」

 しかし、特になにも言われないので、

 (おわ?)
 はてなマークを浮かべ恐る恐るしたを見ると、



 薔は静かに眠っていた。



 (ぎゃあ――――――っ!!かわいい!!)
 もうナナさんは、母性愛とか限界だよ。
 (どうしよう!?せっかくゴルゴンゾーラさん借りてくれたんだし、観ないといけないんだけど、このひとをずっと見ていたい気持ちを抑えきれないよ!)
 真っ赤でふるえていると、


 『…それは、5年前の、話だ。』

 物悲しい音楽が流れはじめて、画面はすこしだけ色褪せ、ゴルゴンゾーラさんの回想シーンが始まった。

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