第26話:Game(on Holiday).24





 んでもって、ちゃんと起きて、花子をなでなでしたりして、ちょっと早めだが一緒にお昼にした。
 作ったのはもちろん、薔である。


 ふたりで向きあって、おいしくいただいていた。
 ほとんどは、ナナが。

 「ナナ、」

 そんな彼女のまえで、堂々と薔は問いかける。


 「一日中一緒にいられるが、なにして過ごすか?」


 と。




 カシャン――――…

 まぁ、今に始まったことではないのだが、驚き慌てふためいたナナは、真っ赤でフォークをテーブルのうえに落とした。

 「昨日のつづき、するか?」

 続く問いかけに、

 ……………うわぁあっ!

 「え、えーと……」
 真っ赤でモゴモゴするナナ。


 「おまえ、途中で気絶したからな。手ぇ入れたまんま。」

 ぎゃあ―――――――――っ!!

 「そうでしたぁ!ほんっとに、スミマセン!」
 「あぁ、お仕置きはしてやるよ。」

 …………ぇえ!?


 なにか話題でも変えないと、心臓が限界だと思ったナナは、赤面しながら薔の手料理へと視線を送る。

 彼女の目には、先ほどから美味しいと思っている、“トマトとモッツァレラチーズのサラダ”が飛び込んできた。

 (これ、美味しいね!チーズって、いっぱい種類あるんだね!)

 感心したあと。

 …………ん?
 チーズ?



 ……あぁあ―――――――っ!!



 「スミマセン!あの!」
 「なんだ?」
 ナナはとっさに、聞いていた。

 「今日は、何曜日ですか!?」



 「おまえ大丈夫か?金曜日だ。」

 こう返ってきたので、

 「あぁあーっ!ゴルゴンゾーラさん、忘れちゃってました!木曜日の18時から、にってれだったのにぃ!」
 「あ?」

 ナナは、あたまを抱えた(およそ空の、は省いた)。

 「ごめんなさい!こけしちゃん!」
 本人はいないが、こけしちゃんに謝罪をしていると、

 「おい、」


 …………………はい?


 顔をあげて見た薔は、ものすごく不機嫌そうだった。



 「押し倒して、挿れるぞ?」




 「なぜにですかぁ!?」
 ナナは真っ赤でのけぞる。
 「おまえ、言ってること矛盾してるじゃねーか。」

 ………ぇぇえ!?


 「それに、桜葉はおまえを、ンなことで怒んねーよ。」
 いつの間にか、薔は、こけしちゃん=桜葉ということを理解していた。

 「確かに、こけしちゃんは、怒るとこをまったくもって想像できませんが、」
 「だろ?」
 しかし、彼が不機嫌なのであわあわとするナナに、不機嫌なままで薔は言いました。

 「まぁ、いい。今ここで“愛してる”と言えば許してやる。」

 とね。


 ……ぇぇぇぇえ!?

 「恥ずかしいですってーっ!」
 「愛してないのか?」

 これについてはナナだって、夢中で否定したため、

 「何をおっしゃるんですか!?“愛してる”に、決まってるじゃないですか!大好きなんですよ!」

 うん、結果的には、言っていた。


 「俺も愛してるよ、おまえを。」

 すると、薔は嬉しそうに微笑んだ。



 (か、かわいい……!)
 キュンとしすぎたナナに向かって、

 「なぁ、ナナ、」

 ちょっと甘えた声で、薔は言った。



 「このあと、一緒に出かけるか?」


 どこへお出かけするのかという以前に、かわいすぎた。

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