第26話:Game(on Holiday).24







 差し込む朝日が、あまりにも眩しすぎた。

 「ん……………?」
 ナナはゆっくりと、目を覚ます。

 「あれ……?」
 きちんと毛布はかぶって、ちゃんと寝ていた。
 まぁ、Tシャツ一枚ではあったが。


 抱きつかれていなかったことに動揺もしたが、いい匂いはしている。
 どういうことかと思い、隣を見ると、やっぱりうつくしき寝顔で、薔は静かに眠っていた。

 (おぉお……!かわいい!)
 キュンとしてしまったものの、

 (ん?待てよ…………)

 ナナは昨夜の出来事を、よくよく思い出した。



 (ぎゃあ――――――――っ!)
 真っ赤でふるえる、ナナです。


 (あわわわわわ!!そういえばわたし、もんのすごいとこで気絶しちゃったんだよ!どうしよう!?)
 お仕置き、だってよ。

 (ぎゃあ!それにしたってわたしは、なんか意識がヘンだったとは言え、すすす、スゴイ、エッチなトコさわっちゃったよ!)
 もはや、穴があったら入りたいどころではない。


 (ほんっとうにもう、どーしよう!?)
 と思ったナナは、ほんとうに何気なく、時計を見た。





 9時をまわっていた。








 (ぎゃあ―――――――っ!)
 ※本日二度目の、こころの叫び。

 「おおおお起きてください!!」
 遅刻確定に、ナナは必死で薔を揺さぶる。

 「ん……………」
 すこしだけ顔をしかめて、目を覚ました彼に、


 「おはようございます!遅刻です!起きてください!」
 ナナはかしこまって声をあげた。


 「……なに言ってんだ?」
 しかし薔は、いつも通りまったくもって動じない。

 このときばかりは、それもそのはずで、


 「今日は祝日だ。」


 薔は言った。

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