※第25話:Game(&Sex?).23





 「ん……………」
 座ったまま、抱きあってキスをする。
 舌こそ入れてはないが、つよくくちびるを押し当てあうと、

 ギュッ―――――…

 ナナは、薔にしがみついた。


 「ん………んっ……………」
 キスに夢中になってゆくうち、

 「は…あっ……………」

 ドサッ―――――――…

 重なりあって、ベッドに倒れ込んでいったのだった。




 「んぅ………………」
 倒れてからは、激しく舌を絡めた。
 開かれたくちびるから、縺れあう舌から出る、いやらしい音がただ、部屋には響く。


 麻痺するには、じゅうぶんなディープ・キスだった。



 「は…っ…………はぁっ………………」
 やがてくちびるは離されたが、肌は重ねたまま、

 「ナナ、」

 すこしだけからだを起こした薔は、ナナの頬を両手で挟み込み、うるんだ瞳で囁いた。



 「おまえが、ほしい。」



 「え――――――…?」
 うつろな瞳を開けて、深く息をするナナに、囁きはつづく。

 「俺なら、全部やる。からだも、こころも、すべて。」
 すこしだけ曲げたゆびのさきが、頬に沈んで、

 「だから、」

 かすかに、食い込んで、


 「おまえを全部、よこせ。」



 薔は力強く、囁いた。




 「あ……の………………」
 「ん?」
 ナナは深い息をあげながら、途切れ途切れに述べる。

 「わたし…………もう………薔…の………ものです……………好きで……仕方ない………………」

 振り絞ったことば。

 のあと、

 「なら、ナナ、」

 近すぎて見えないほどの距離で、薔は確かに微笑んだ。




 「セックスしよ?」

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