※第25話:Game(&Sex?).23








 出逢うために生まれてきたのでは、ない。

 生まれてきたために、出逢えたのだ。

 さすれば人はきっともっと多くの深いものたちに、感謝をすることができるであろう。


 ほんとうの、出逢いを、こころから理解して、こころ奥底まで、受けとめられるのなら。











 ずっと、キスをしていた。
 音を立てた、かなり激しいディープ・キスを。


 「は…あっ……………」
 やがてくちびるを離されたとき、ナナはかなり火照っており。
 あたまもクラクラとして、意識は朦朧としていた。

 「大丈夫か?」
 ほおを撫でながら問いかける薔に、
 「……はい……………」
 吐息混じりに答える。

 イチゴアメは残っていたが、かき氷は溶けてしまっていた。




 このふたりのまわりでなんやらをしていたカップルたちは、
 (わぁあ……!なんかあのふたり、雰囲気とか音とか、ものすごくエロかったよ!)
 途中から、それどころではないほどだった。




 しかしお構いなしに、

 「おまえ、今夜も泊まれんのか?」
 体勢変わらぬまま、薔はそれとなくすごいことを聞いてきた。
 「ぇえ!?」
 いきなりの質問に、ナナは真っ赤でビクつく。

 そんな彼女に抱きついて、耳もとで、


 「つづき、シたくねぇのか?」


 吐息とともに、薔は囁きかけた。



 「んあっ……………」
 ビクンとふるえたナナは、

 ギュッ―――――…

 彼のTシャツにしがみついて、

 「ん…………したい……です………………」

 と、答えていた。



 「それでいい。」
 そっとナナから離れた薔は、

 彼女の手をとって、

 「なら、帰るぞ。」


 やさしく微笑んだ。



 「は、はい……………」

 キュンとしたナナは、ただ手をひかれるように歩きだしたのだった。









 …………つづき?

 これは、いよいよ、か?

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