第24話:Game(=Lovers…).22





 え………………?

 「な、なぜに、ご存知で?」
 「だれでもわかるな。」

 ……………ぇえ?

 「そんなにわたし、わかりやすいですかね?」
 「バカがつく、正直者だな。」

 ………………えぇぇぇえ!?


 「まぁ、そこもやたら、かわいくて好きだが?」



 ぎゃあ―――――――――っ!!




 「ちょっとーっ!イジワルなこと言ったり恥ずかしくなること言ったり、心臓もう限界ですってーっ!」
 「でもおまえ、好きなんだろ?」

 ………………ひゃぁあっ!

 「それは、ほんっとうに、そうなんです…………」
 「だろ?」


 瞳をうるうるさせて真っ赤なナナのした、薔は微笑んだ。




 「ならおまえ、俺と付き合え。」




 と。





 「え?お付き合い?」
 「そうだ。」

 ナナの動揺は計り知れず、

 「えぇと、待ってください。お付き合い、という言葉を、辞書で引いてみます。」
 明るく言ってみた。


 「なに言ってんだ?」
 しかし薔は、辞書の登場を差し押さえた。

 「おまえは俺の彼女になれ、つってんだよ。」

 …………………えっ?

 「逆に俺は、おまえの彼氏になる。」

 ……………えええええ!?

 「やっぱりそっちのお付き合いで、よかったんですかぁ!?」
 「当たり前だ。」

 またしても、まばたき忘れるナナ。



 「イヤか?」
 この質問に、

 「ぅぅう……………」
 ナナはホロリと、涙をこぼす。



 「嬉しいです……………、ありがたいにも、ほどがあります………………」



 「なら、いまから俺とおまえは、恋人同士だ。」
 「は、はい……………」
 うるうるのナナが、はじらっていると、

 「付き合うまえから、ヤりたくはなかったがな。」
 薔は告げた。

 「はい……………?」
 うるうるから解放されたナナが、目をぱちくりさせると、


 「まぁ、俺はまだヤれてねぇから、いいよな?」
 またしても、微笑まれました。


 わぁぁあ――――――――っ!!




 こころで大絶叫のナナを、

 グイ―――――…

 引き寄せて、

 「なぁ、ナナ、」

 くちびるとほおに触れて、薔は瞳を細める。



 「キスしよ?」




 「は、はい…………」
 ナナがかがみ込むと、
 「付き合ってんだ、いっぱいしような?」
 くちびるが触れあう寸前に、薔は囁いた。



 「ん………………」
 瞳を閉じてキスをしたが、すこし瞳を開けて見つめあい、また閉じればさらに深いキスへと堕ちてゆく。

 ディープにもなり、時間をかけてふたりは激しいキスをしあったのだった。





 やがて、真新しい恋人たちは、抱きあってしばしの眠りに就いた。

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