第22話:Game(+Key).20





 この日。

 ナナと薔をはじめとする、ほとんどの学校メンバーが下校を終えたあと。



「…………………。」
 職員室で、熱心に調べものをしているちっちゃいオトコがいた。


「う〜ん、生徒名簿って、調べにくいものなんだね。」
 ベンジャミンは、ちいさな灯りのなか不気味に笑っている。

「なかなか、見つからないよ。」
 と、呟いたベンジャミンは、




「あ、あった!」




 ものすごく不気味に、なにかを発見した。









 この日も、ナナは自宅に戻っていた。

「わぁあ!携帯って、機能がいっぱいでよくわからないよ!あのひとが今日だけで色々教えてくれたけど、ほとんど覚えてないよ!それよりなにより、教えてくれるあのひとに目がいっちゃうから、困るんだよ!」
 そして彼女は、けっこう変態チックなことを、独りごちており。


「いやぁ、でも、わたしもストラップとやらがほしい気がするから、明日、伺ってみよう!」

 んでもって、こうは言ってみたが、伺うどころではなくなることなど、知る由もなかった。













 23時頃。

 ベンジャミンは、ナナを抱えさせたふたりのオトコと、夜道を歩いていた。

「あ、ここだよ。」

 そしてとあるマンションのまえで、ぴたりと足を止める。


「物音だしたら、なにされるかわからないから、静かにね!」
「さっきから、そればっかだよ?ベンジャミン。」

 ふたりのオトコは半ば呆れてはいたが、


「じゃあ、行こう。」
 ベンジャミンに促され、ベランダなどをつかいながら、壁をよじ登っていった。




 そして、とある部屋のベランダへ降り立つ。

「間取りだと、寝室はこっちなんだよ。」
 壁をつたってゆき、

「セキュリティーシステムだかは不能にしたけど、ゆっくりね。」
 ヴァンパイアの能力を悪巧みに駆使しまくって、窓を開けた。



 月明かりが、すこしだけ差し込む部屋へと、物音立てずに侵入する。


 ゆっくりと、三人が近づいていったベッドのうえには、






 うつくしき寝顔で、薔が眠っていた。








 ......What happens to him after this?

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