第22話:Game(+Key).20





 登校を、終えて。

 机に突っ伏すこともなく、ナナはこけしちゃんに声をかけた。


「おはよう!こけしちゃん!」
「おはよぉうぅ。ナナちゃぁん。」
 こけしちゃんは本日も、絶好調にニコニコ顔です。



「あのね、こけしちゃん!わたし携帯をいただいたから、ぜひともこけしちゃんの電話番号を、教えてほしいの!」
「そぉなんだぁ。良かったねぇぇ。入手ルートはあえて、聞かないからねぇ。」

 やっぱりこけしちゃんは、考え方は大人びていた。


「ありがと〜う!こけしちゃんは、気が利きすぎるよー!」
「普通だよぉ。」
 ナナは、大感動した。

「じゃあぁ、赤外線送信、しようぅ。」
「な、なんですか?それは?」
 ナナは、赤外線送信は長いので、聞き返すときに、それ、にした。

「携帯についてるからねぇ。」
 そうにっこり言ったこけしちゃんは、自身の携帯を取り出した。



「わぁあ!こけしちゃんの携帯は、かわいいのがついてるねぇ!」
「ストラップだよぉぉ。」

 ………………おぉっ!?


「ちなみにこれねぇ、あたしのゴルゴンゾーラだよぉ?」
「すごぉ!ゴルゴンゾーラさんは、すごいね!」
 ナナが感心していると、

「そんなことないのぉ。」

 こけしちゃんは、キュートに述べた。




「だってゴルゴンゾーラはねぇ、悔しいことにみんなのものだからぁ、アニメイトに行けば手に入るのぉぉ。独占できるナナちゃぁんのほうが、スゴイんだよぉ?」




 と。




 こけしちゃーん!
 なんだか昨日から濁しまくりで、くすぐったすぎて困るってーっ!


 ナナはこころで悶えたが、

「じゃあぁ、交換しようぅ。」
 あまりにもこけしちゃんがニコニコしているため、

「あ、ありがとう、こけしちゃん!」

 教えてもらった手順で赤外線送信をして、ナナはこの日、こけしちゃんの携番とアドレスも、手に入れたのであった。





 ナナはやたらしあわせだったが、この夜、とんでもない事件が起きてしまいます。

 引き起こすのは、まさしくあの、ちっさい童貞オトコです。

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