※第21話:Game(in Ruins).19





「ぇえ!?」
 ナナは仰天した。
 その仕草にも。

「血液なしで、おまえの愛撫を、感じてみたい。」


「………………!」
 真っ赤のナナだが、

「はじめは、教えてやる。」


 薔はひどく、顔を近づけた。


「ダメか?」
 もはやすこし、くちびるは触れあってすらいた。


「ん…………それは…………して…あげたい………です…けど………」
「なら、して?」
 薔はナナの肩に、あたまを乗せた。

「ナナ……………」

 やっぱり、絶対にしないような仕草が、ナナのこころを打ちつけたようである。


「顔………あげて…………?……薔…………………」
「ん……………」

 しばしふたりは見つめあっていたが、

「おまえ、脱がせるよな?」
「はい…………」

 ふるえる手で、ナナはゆっくりと、薔のシャツのボタンをはずしはじめた。




「んな震えてたら、ゆっくりでいーぞ?」
 薔はナナのあたまを撫でながら、妖しく微笑んでいた。




 やがて、ボタンはすべて、はずし終えた。

 肌を撫でて、肩からシャツをすべらせる。

 椅子のうえにシャツは落ちて、薔のうつくしいカラダがあらわになった。




「いつまで見てんだ?」
 見とれていたナナは、はっとした。
「す、すみません……………なんか……本当に………キレイ…で…………………」
「ならはやく、愛撫しろよ。」
 髪をゆびで梳かれ、
「は……はい…………………」

 ナナはかがもうとしたが、
「どこから、します………?」
 まずは聞いていた。




「あぁ、左耳がいいな。」
「えぇ?」
 こないだもしたわけなんだけどね、血液ありで。

「ど、どうやって、すればいいんですか?」
 左耳に近づく、ナナ。
「今日は、唾液を中に入れねーようにしながら、エロい音を出して舐めろ。」
「ぇぇえ!?」
 ナナはいったん、すこし離れた。
「なんか、難しそうなんですけど、」
「そうでもねーよ。」

 唖然とするナナだが、
「やってみろ。」

 抱きしめられた。




 かかる髪をかきあげて、ピアスのあいだにくちびるをあてる。
「音、出せよ?」

 なんだか恥ずかしいが、すこしずつ舐めはじめた。




「まったく音が、出ねーな。」
 と言った薔は、
「こうすると、どうだ?」
 またしても、やさしくナナの乳房を撫ではじめた。

「んあぁっ………」
 声をあげた彼女に、
「羞恥心が、薄れるだろ?」
 甘く囁きを吹きかける、薔。


「ん……んっ……………」
 しがみついたナナが胸を愛撫されながら耳を舐めていると、徐々に音が聞こえだした。

 だんだんと、エスカレートしてゆく。

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