※第19話:Game(&Inside).17





「いつもキスだけでイくんじゃねーよ、」
「はぁ………はぁっ……………」
 声を低くして言う薔のうえで、ナナは激しく息をしていた。
「だっ……て……………薔さんのキス……………気持ちよすぎるん……で……………………」
「あぁ、そういやお前、」

 …………………はい?


 うつろな目を開いたナナに向かって、彼は命じた。




「今から、ヤるときだけ俺を呼び捨てにしろ。」




 とね。





「ぇえぇぇぇえ!?むむむむムリです!できません!恥ずかしすぎます!」
 もはやうつろどころの、話ではない。
「呼んでみろよ。」
 ……………ぎゃああ!!

 大赤面しながらあたふたするナナは、ほおに手をあてられた。
「どーした?」
 細めた瞳が、あまりにもセクシーだった。

「あ、あの………、」
 ナナはくちびるをふるわせ、声を振り絞った。




「…………薔…………………」





「なんだ?」
 呼べと言われたから呼んではみたが、ナナは恥ずかしさのあまりせつなげに真っ赤になった。
「んなかわいい顔してんじゃねーよ。」
 状態は変わらぬまま、薔はイジワルに微笑む。


「もう……………恥ずかしい…です……………」
 消え入りそうに呟いたナナのした、彼は言った。






「あー、もういっそ、お前を縛り上げて、閉じ籠めてメチャクチャにしてやりてぇな。」






「え――――――――…?」
 突然のこのような台詞に、ナナはキョトンとした。
「まぁ、ンなみっともねぇことはしねーが。」
 付け足され、たが、

「あ、あの……………、」
「あ?」
 ナナは勇気も、振り絞った。

「い、いいです……………アナタさまに………なら…………………」
「おい、」

 …………はい?

 どうやら勇気は、先ほどの令達を忘れたようです。


「違うだろ?」

 …………………あ。


「ぅ………………」
 顔を火照らせたナナは、眩暈すら覚えながら述べた。




「…………薔……に…なら…………いい……です…………………」





「それでいい。」
 微笑をうかべる彼は、言いました。






「ならお前、縛ってやるよ。」

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