※第19話:Game(&Inside).17





 ソファに座り、花子を抱きしめながら眠りかけて待っていると、

「待ったか?」

 頭上で薔の声がした。


「あ、いえ、まったく待ってま」
 顔をあげて彼を見ると、やっぱりうえにはなにも着ていなかった。
 ちなみに、スウェットパンツは履いていた。


「ちょっと―――――――っ!もう心臓限界ですって―――――――っ!」

 大赤面してふるえるナナだが、落ち着き払った薔は彼女のとなりに堂々と座った。
 この時点で、気を利かせた花子はリビングを出ていった。


「でもお前、好きなんだろ?」
「えぇっ!?」
 核心をつかれすぎて、やたら激しくビクつくナナ。

 (いや、とにかく全部大好きなんだけど、どう答えたらいいんだ!?それよりなにより、ご自身のこととして、聞いてらっしゃるのか!?)
 あたふたする彼女に、
「カラダのことだ。」
 と、薔は付け足した。


「え?おカラダ?」
「あぁ。」
 ………………ぇぇぇぇえっ!?

「それは、その、あの………………」
 耳すら真っ赤でもじもじしてしまう、ナナ。




「す…………好き………………です…………………」
「聞こえねーな。」

 ぇぇえっ!?

「もう!ちゃんと聞いててくださいよぉ!こっ恥ずかしいんで、勇気振り絞ったのにぃ!」
 ナナは少し鼻声になって、懸命に申し立てた。



 すると、

「そうか。」



 グイッ――――――――…



 突然ナナをつよく引き寄せて、薔はソファのうえに倒れ込んだ。


 唖然としていると、片脚をもつれさせ、ナナのしたで彼は寝そべる。


 事実上、やっぱりまたがっていた。



「ちょっ、あの…………」
 ナナが慌ててからだを起こすと、


「ナナ、」


 彼女のほおを撫で、細めた瞳で見あげながら、薔は甘えたような声をだした。






「キスして?」

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