※第17話:Game(in Hotel).15
本間に戻る、ナナと薔。
「聞こえんだな。」
堂々と座った薔は、ふんぞり返って言った。
「おぉお!でもなんだか、見返した感はめちゃくちゃあります!」
「あ?」
薔のまえに座ったナナは、それとなくどや顔だった。
「あぁ〜、でも本当にありがとうございます!もうやめときましょうね!」
「なに言ってんだ?お前は。」
……………………はい?
「まだ、舐めて消してねーだろ?」
当然もう止めるだろうと思ったナナに向かって、薔は妖しく微笑んだ。
「どーせなら、もっとやらしくイこうか、」
とね。
(え?なんかいつもと、雰囲気ちがう…………)
ときめくナナのまえで、
「とりあえずこれでいいよ。」
彼女の首にかかっていた手拭いを、薔は引き抜いた。
(ギャア――――――――ッ!)
いきなりの事態に内心大絶叫のナナは、こう、言われました。
「お前、これで俺の口を塞げ。」
「なにを、おっしゃるのですか………………?」
ナナは呆然とした。
「猿轡、というやつだ。」
……………ぇぇぇぇぇえっ!?
「なんか、考えただけでエッチです!イヤです!」
「なら、お前の口で塞ぐか?」
なんですと―――――――――――っ!?
「はやくやれよ。」
真っ赤なナナにまた、薔は微笑みかけた。
(ちょっと!このひとがこんなふうに笑うと、とてもじゃないけど逆らえないよ!)
やたら、いつも逆らえてないけどね。
身をかがめただけでは口元まで届かなかったため、ナナは座る薔にまたがった。
「塞いだら、お前がリードしろよ?」
流し目の彼はやはり、不敵な笑みを浮かべている。
ふるえる手を伸ばし、セクシーなくちびるに手拭いをかぶせた。
そして抱きつくような体勢で、それを巻きつけたのだった。
声が出せなくなった薔は、誘うような目つきで静かにナナを見つめている。
(わぁあ…………!やっぱりこんなことしちゃうと、このひとものすごくいやらしいよ!)
こころが、からだが、あつく熱を帯びてゆく。
体温を重ねるように、いつしかきつくつよく、抱きしめあっていた。
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