※第17話:Game(in Hotel).15





 あやしいプレイを繰り広げているふたりの、となりの部屋にて。

「……………………。」

 ゆきりんとミッチーの(バ)カップルは、壁の近くに無言で真っ赤になり向かい合って座っていた。

「なんか、スゴイね…………」
「うん……………」

 ふたりは息をのむ。




「となりの部屋の声、めちゃくちゃエロいんだけど…………………」




 ちょうどふたりして布団に倒れ込もうとしていたときに、その声は聞こえてきたのだった。
 あまりにもエロい声だったため、ふたりはとっさに壁に耳をあてていた。


「でもさぁ、この声、明らかに男の子だから、さっき見た女の子じゃないよ……………」
「う、うん……………」


 (バ)カップルが、ひそひそと話していると、


『……ぁ……あ………………』


 またしても、その声は聞こえてきた。


「うわぁ………!ダメだよ…………!これ絶対に、未知のプレイだよ………!なんかとてつもなく、痛苦しそうだもん…………!」
「うん…………!」


 (バ)カップルは立ち上がると、


「女将さんに、知らせに行こう!」


 余計なお世話もほどがあることに、女将のもとへと手をつないで走っていったのだった。






 ようやく見つけた女将は、番頭と廊下で話し込んでいた。
 そこへ(バ)カップルは、駆け寄る。

 ふたりに気づいた女将は、番頭と別れにこりと挨拶をした。

「どうなされました?」
 上品に尋ねる彼女に、
「あの、となりの部屋がなんかヤバいんです!」
 (バ)カップルは申し立てた。

「え?」
 キョトンとする、女将。
「なんか、ものすごく危ないコトをしているとしか思えない声が、さっきからずっと聞こえてくるんです!」
「ぇえ!?」
 女将は目を見開いた。
 彼女はすべての宿泊客と部屋割りを、把握しております。


「どういった声が……?」
 身を乗り出して問う、女将。
「なんか、ものすごく痛そうなんですけど、エッチな声です!男の子の!」
 この報告を受けた女将は、


 ポタリ


 鼻血を出した。



「うわぁ!女将さん!?どうしちゃったんですかぁ!?」
 のけぞる、ゆきりんとミッチー。

「あら、ごめんなさい。あのお部屋のおかた、スゴかったから、ちょっと興奮してしまって。」
 …………………えぇえ!?


 呆気にとられるふたりのまえで、
「見てきますね。」
 鼻血を拭いた女将は、そそくさと早歩きし出した。


「どうせなら、ぼくらも見たいね!」
「うん!」


 ついでに(バ)カップルまで、走りだしちゃったよ。

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