※第13話:Game(in Sofa).11
「夢………………?」
ナナのほおを涙がつたってゆく。
彼女は、肩で息をしていた。
「夢、かぁ……………」
安心しきったナナは、つぎにはっとした。
そして、うっすら窓から差し込む朝日に視線を傾け、思った。
「ここ、どこ……………?」
ナナは唖然とした。
見覚えは、ある。
しかし、事態がうまく掴めていない。
(え、えーと、まずは順を追って、思い出してみよう……………!)
と、ゆびで数えながら時間をさかのぼる計画を立てたナナのとなりにて、
「ん………………」
だれかが、色っぽい声で、寝返りを打った。
(はい……………?)
ナナはゆっくりと恐る恐る、そちらに顔を向けてゆく。
隣では、うつくしき寝顔で、薔が眠っていた。
よくよく気づくとナナは、彼のTシャツを着ていた。ちなみに指輪も、すでにはめられている。
そして薔は黒いタンクトップを着ており、肩を出してはいたがナナと同じ毛布をかぶって寝ていた。
(どぎゃぁぁあ―――――――――――っっ!!!)
色々と思い出せたことと、目の前の光景にとてつもなく動揺して、ついでに果てしなく赤面して、こころで大絶叫したナナ。
結果、
ドテッ――――…!
驚愕のあまり後ずさったナナは、ベッドから転げ落ちた。
(あわわわわわ!!)
顔真っ赤、心臓バクバクのナナ。
「…るせぇな……………」
あまりの喧騒に、薔が目を覚ました。
(ひぇぇぇえっ………………!)
床に尻もちをついて、赤面しながら慌てるナナを、薔は起き上がりベッドのうえから見下ろしていた。
寝起きのせいか、かなり、不機嫌そうである。
「朝からうるせーな、お前は。」
ついでに言わせていただくと、寝起きなので、やたら声が甘ったるいです。
「す、すみません…………」
ナナは、消え入りそうではあったが、必死で謝った。
すると、
「お前、」
薔は聞いた。
「泣いてんのか?」
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