※第12話:Game(is Love?).10




「はっ…………はあっ……………」

 ふたりして肌を重ね、息を乱していた。



「薔さん………大丈夫……ですか…………?」
 途切れ途切れでも薔を心配するナナのしたで、彼は今までになく、深い息をしていた。


「はじめて……だな…………」
「え…………?」

 すこし顔をあげた彼は、ナナをうつろに見つめた。


「俺も…イった……………」
「えぇ………っ?」
 ナナは驚いて、からだをすこし起こす。


「乳首だけで……イくなん……お前のこと、言えねーな……………」
 薔はベッドに、身を委ねて言った。



「はっ………はぁ……………っ……」
 エロティックな息づかいをつづける彼に、ナナは問いかけました。

「あのぅ…………、」
「………あ?」

 髪を乱した薔がぼんやりと、ナナを見る。



「まだ、血……出てますけど…、キレイに、しますか……?」
 恐る恐る、ナナは尋ねた。


「お前は……また、俺を…イかせてーのか……?」
 吐息とともに、薔は聞き返してきた。


「いや、あの、すみません………すごく、もったいないですし、まだ出てますんで、」
「…っとに、お前は…欲しがりだな……」


 言わないほうが良かったかな?と後悔しているナナに向かって、薔は言った。




「…どーせなら、キレイに……いやらしく、舐めろよ……?」




 と―――――――…





「は、はい…………」
 ナナはからだをすらすようにして近づくと、まるでネコのように、薔のあかい胸元を舐めはじめた。


「…っあ……っ……」
 彼はからだをそらし、吐息混じりに、甘く声をこぼした。





「……ん…っ、…あぁ……あ…っ、」
 薔は、喘いでいた。
 ナナは血液とともに、そのセクシーな啼き声にもひどく感じてしまっていた。



「薔さん…………声が………エッチすぎます……………」
 ナナは眩暈をおぼえ、あたまはくらくらと夢うつつだ。
 が、確かに目のまえにいる、薔を肌で感じていた。




「ンっ……んんっ……………」
 胸元をキレイになるまで舐めつづけていると、


「ん―――――――…っ!」

 ナナは、二度目の絶頂をむかえ、そのまま気絶してしまった。









「はぁっ、はぁ…っ、」
 ベッドのうえ、薔の息づかいだけが響く。

 彼は深く乱れた息をつづけ、ようやく落ち着いたころ、うえに倒れていたナナをとなりにやさしく横たえ、囁いた。


「ナナ、」

 折り曲げたゆびの背が、ほおをやさしく伝う。




「あんとき、堕ちたのは、俺なんだ。」




 ナナにはもちろん、聞こえてはいない。


 彼女を愛おしそうに見つめ、言葉は、うつくしくも、放たれていった。




「いまは“おそらく”をつけるが、」


 薔はかがんで、ナナの髪をかき分ける。







「俺はお前を、愛している。」







 そしてくちびるに、そっと、キスを落とした。












 その夜、ふたりは、同じベッドのうえ、しばしの眠りに就いたのであった。











 ………………「I love you.」

  ........so...go mad.

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