第9話:Game(+Fete).7





 そして、二日目が、やってきたりした。




 二日目は、それぞれの部活が発表の場をもうけ、見物に行くというもの、つまり自由行動のようなものであった。

 校庭では、吹奏楽部が、風にのせたメロディを奏でていた。




 (そういえばわたし、部活って入ってないよ〜!)

 ナナはこのときはじめて、部活の存在に気づいた。


 んんん?


 それより!

「あのひとって、部活には入ってるのかな?活動してるとこは、見たことないんだけど、」


 もんのすごく、気になっちゃうじゃないか!!




 と思いながらも、こけしちゃんが「遊びにきてぇ」と誘ってくれた、漫画研究部の発表の場へと足を運ぼうとしていた。






「あ〜、この学校はスゴイね!体育館がふたつもあるし、ちっさいのもひとつあるよ!体育館に対しての敬意に敬意を払いたいよ!」

 そう思ったのは、新しいほうの第二体育館へさしかかったためであって、


「こっちは入ったこと、まだないんだよね!」


 などと呟きながら、第二体育館を覗いた瞬間に、



 パサッ――――――…



 すぐ隣のバスケット・ゴールに、バスケット・ボールが見事なくらいさらりと入っていった。


 (すごぉお!)


 ナナが呆気にとられてゴールばかり見ていると、




「なにしてんだ?お前は、」




 誰だかはおわかりになると思いますが、ボールを投げたひとが声をかけてきた。
 しかも、スリーポイント地点よりはるかに遠くから、ボールは投げられていた。




 えぇぇぇぇぇぇえ!?




「えーっ!薔さん!?いまのはアナタさまですかぁ!?」
「ほかにだれかいるか?」

 ………………えっ?


 見渡してみると、体育館のなかには薔しかいなかった。

「なぜにだれも、いらっしゃらないんですかぁ?」
「レベルがあまりにも違いすぎたため、排除した。」



 …………………はい?



 ちなみに彼は、威圧感のみでひとを動かせます、おそらく。

「レベルって、バスケのですか?」
「当たり前だ。」

 ……えぇっ!?


「そもそも、なぜにアナタさまは、こちらでバスケをなさってるのですか!?」
「バカか?お前は、」


 …………………はい?




「俺はバスケ部だ。」




 えぇ――――――――っ!?


「えぇーっ!?そうなんですかぁ!?わたしそれ、すごく知りたかったんで、ものすごくありがたいですよぉ!」
「あ?」

 バスケット・ボールを持っている薔は、黒いTシャツに黒いジャージで、エアジョーダン1を履いていた。


「それよりお前、明日は大丈夫か?」

 …………………はっ!!

 明日はいよいよ、メインイベントです。


「おぉぉぉお………!ものすごいプレッシャーに押しつぶされてる気がしなくもないですが、こけしちゃんとともに頑張ります!」
「おい、」



 ボールを持ったまま歩いてきた薔は、

 ふに

 ナナのほっぺたをつねって言った。


「いっそ俺も入れろ。」



 とね。





「むしろ中に挿れるか?」



 まぁ、いつものようにそこはかとなくエロいんですが、ほっぺたの感触で、ナナのあたまのなかはいっぱいだった。




「お前なら、大丈夫だ。」

[ 96/550 ]

[前へ] [次へ]

[ページを選ぶ]

[章一覧に戻る]
[しおりを挟む]
[応援する]


戻る