※第8話:Game(&Fete).6






「ふーん、」


 もはやとてつもなく落ち着いた雰囲気すぎて、「アナタさまのことですよ?」とは、だれもとてもではないが言えはしなかった。


「まぁ、いい。」

 ……………はい?


 ヘッドフォンをつけたまま、薔は吉川に向けて言い放った。





「吉川、俺もこいつを、推薦してやる。」















 という流れで、なんとナナは387歳にして生まれはじめて、ミスコンに推薦され、エントリーされることとなった。













 ズーン―――――――…

 ナナはもう説明したくないんだが、机に突っ伏していた。

「お父さん、お母さん、王さん、わたしの先はたたないけど、なんかたたれた気がしちゃう不幸をお許しください…………………………。」

 うぅっ……………(泣)


「おい、」

 ……………………う?

 うぇぇぇぇぇぇえ!?


 いきなり、ナナを推薦させたうえでなんだかやるせない気持ちにさせている、薔が声をかけてきた。
 (※あ、いきなり、はいらなかったかな?)


「なんですかぁ?わたしいま、もうよくわからなくて困ってるんですけどぉ。」
「ムダにいつもだぞ?」

 …………………ひどい。


「お前に、教えてやろう。」

 ………………えぇっ?


「これは、お仕置きだ。」


 ………………おしおき?



「よって、放課後、躾をしてやる。覚悟しとけ。」








 放課後は、お仕置きの時間へと、すがたを変えるご様子です!













 ドキドキドキドキ
 ナナは、ドキドキしていた。

 教室に残っていたほかの生徒たちを威圧感のみで帰らせると、薔は「ここで待て。」と言い残して教室を出ていった。


 (おしおきってなんだ?なにをなさるおつもりなんだ?)


 ガラッ――――――…

 …………………!!

「ぎゃあ――――――――っ!!」

 そして間もなく戻ってきた。



「おおおおかえりなさいませ!」
「あ?」

 ナナはまるで、メイドのようにかしこまっていた。


「どこへ行ってらしたんですか!?」
「教師どもの部屋だ。」

 …………それ、職員室のことですよね……………?


 ドサッ


 こころで疑問をかかえているナナのまえに、薔はけっこうな枚数の、プリントを置いた。


「なんですかこ」
「およそ問題集だ。」


 ……………………はい?


「お前にやたら足んねーモン、それは、“知識”と“色気”だ。」
「は、はぁ……………」

「体力だけはムダにあるみてーだが、」


 薔はナナの机に、片手を乗せて覗き込むようにして言った。


「いっそ果てるまでヤるか?」




 唖然(※そして赤面)。



「まぁいい。お前これから、その問題集をやれ。」
「はい?」
「今日は調べてもいい。よって、すべて解け。」







 というわけで、ナナはようやく届いた教科書をフルに活用させて、“知識”の特訓に挑んだ。




 (おぉお!わたしいま気づいたけど、英語あんまりというか全然わからないよ!アメリカって、行かなかったっけ?覚えてないよ!やたら残念だよ!)

 などと考え、ページをめくり、目で答えを見つけ、あたまでなんとなく理解してゆくうちに、全問答えは埋まった。

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