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〜Web拍手御礼小説〜


 血の繋がった兄妹は、お遊びで愛しあう。

背徳っこ


(これまでのお話はこちら)




『気持ちいい?』
 と、囁くような声でもはっきりと、武瑠は確かめた。
 声は体内まで響き、妹の躰をなおいっそう火照らせる。
「うん、気持ちいいよ……」
 意識は甘くぼんやりとした状態で、梨由は答えた。
 兄の言ったように、はしたなく、秘部はどんどん濡れてゆく。

『一人で気持ちよくなってちゃ駄目だな』
 諫めるみたいな口調で武瑠は返した。
 はっとした梨由は、今まで度々兄が帰ってからも一人でしてしまったことを憶い出し、罪悪感に駆られだす。
 全部見られていたかのような羞恥も、沸き上がった。
「ごめんなさい……許して……」
 涙が滲み、小さな声で懸命に謝った。
 許しを乞うべき人間は他にもっとたくさんいる、優先順位をつけたなら真っ先に謝らなければならないのは鉄太だった。
 けれど梨由は、兄にだけは嫌われたくないと必死で思っている。
 他の誰に嫌われようとも、兄にだけは嫌われたくないと請い願っている。


 なんて身勝手な人間なのだろう。
 この身勝手で傲慢な妹を、愛していると言う兄も、なんて身勝手な人間なのだろう。
 思い知るほどに、二人は同じ人間なのだった、あろうことか血筋さえも。


『許すも何も、俺は怒ってないからな。ただ呆れただけだ』
 武瑠は面白そうに笑うと、妹を促した。
『なあ、そのまま一人でイってみろよ』
 優しいのに容赦ない声は、相手が抗わないことを知っている。
 怒っているのではないとわかると梨由は心底安堵をして、何でも言うことを聞きたい気分になった。
 まだ薄暗い部屋の中で、隣には兄がいてくれるような錯覚に陥る。

「うん……」
 梨由は再び自分で、自分を弄り始めた。
 指を入れて、兄のやり方を手繰り寄せ、中を擦って気持ちよくなってゆく。

 グチュッ…グチュグチュッ…

「……音、聞こえる?」
 弄りながら、ちゃんとできているかどうかの確認もした。
『聞こえてるよ、まだまだ小さいけどな』
 電話の向こうで、武瑠は煙草を吸っているようだった。
 煙を吐いた息づかいの落ち着いた様に、梨由はぞくぞくする。
 セックスの最中に煙草は吸えないから、これはいつもとは違う行為なのだという興奮が改めて迫りきた。

 ヌチュンッ――!

 思い切って指を深く入れ、滑らかに抜き差しをする。
「ん……っあ、あ…っ」
 腰がガクガクした梨由は夢中になって、指を動かした。
 寝間着の下で起った乳首が迫り出して、いやらしい突起を描いている。
『そう、その調子』
 武瑠はまた煙草の煙を吐いた。
 声にはどこまでも余裕があった。

 ぴくんっ……と震えた乳首が、寝間着と擦れて疼く。
 その淫らな胸を、兄に好き勝手乱されたくなる。
 アソコも、兄の指を入れられて、その先も深く咥え込み我を忘れて悦がりたくなる。

「んっっ!」
 兄にしてもらいたいことを想像しながら中を弄っているうちに、梨由は一人で達していた。
『ごめん、梨由……時間だ』
 一人でイけた妹を褒めるでもなく、貶すわけでもなく、武瑠は電話を切った。

 残されたものはうっすらと差し込む朝日と、恐ろしいほどの静寂だった。





〈つづく〉




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