黄瀬視点

五月中旬、学生にとっては最低最悪のものが来週から行われる。そう、それは
「テストかー」
「黄瀬うっせ」
「青峰っちが一番危ないじゃん。今回は大丈夫なんスか?」
テスト一週間前。その間は部活もなくなって勉強する人が増えて来る。しかも俺等は三年。高校のことを考えると何とか点数は取っておきたいものだ。まあ俺はバスケで推薦取れるからいいけど。青峰っちも絶対成績足りないからスポーツ推薦だと思う。
「テスト何て爆発しろ」
「ぶは!何云ってんスか」
『青峰くんと黄瀬くんは勉強苦手なの?』
そんな癒月っちの問いに桃っちは彼女の耳元でこそこそっと俺達の成績を話している。…俺達の耳にも届くように云っているのはわざとなのか。
「そういう癒月っちはどうなんスか?」
『私は普通だよ』
「嘘!癒月ちゃんいつも上位にいるじゃない」
「へえ、癒月っちって頭いいんスね」
『そんなことないよ!上位に入ったの何て数える程しかないし』
「十分凄ェだろ」
青峰っちの言葉に照れ臭そうに笑う癒月っち。うん、可愛い。何と云うか男心がくすぶられる。青峰っちの言葉というのが気に入らないけど。
「ねえ癒月ちゃん。もしよかったら勉強教えてくれない?」
『え!私が!?』
「それいいっスね!俺も癒月っちに教えて貰いたいっス」
『う…ん。だけど来週は征十郎に勉強教えて貰う予定があるからな…』
その言葉に不機嫌になったのは俺と桃っち。
「一日だけでいいから。お願い、癒月っち」
『そこまで云うなら何とか日程合わせてみる』
「やった!」
「ありがと、癒月っち」

アンタはまるで修羅の鬼だね
(どこまで邪魔するんだろうと、俺は憎憎しく奥歯を噛み締めた)


title//花畑心中

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