黄瀬視点

「お前等変だぞ」
部活が終わって赤司っちはさっさと帰ってしまって、それから少しして青峰っちと桃っちが近付いて来た。そして冒頭の台詞。
「お前等、って?」
「お前と赤司に決まってんだろ」
変。そうか、俺は変だったのか。癒月っちに熱中しすぎてわからなかった。周りからは変だと思われてたのか。
「何か最近怖いよ、二人とも」
「怖い、っスか?」
「可笑しいよ。いきなり1on1始めたり、」
「お前、赤司を睨んでること此処最近で増えたぞ」
「…そうっスか」
持っていたタオルを頭から被る。二人から自分の顔が見えないようにした。
「どうしても負けらんないんスよ、これだけは」
「―――…女の子関係?」
肩が少し上がった。どうしてわかるんだ、桃っちは。
「黄瀬は未だしも赤司まで女子関係はねえだろ」
「最近きーちゃんは一人の女の子に構うことが増えてるよね。一緒のクラスの…有栖川癒月ちゃん、だっけ?赤司くんの幼馴染みで誕生日は赤司くんと一日違いの12月21日。家も赤司くんの隣で生まれたときから今までずっと一緒」
そこまで云って、合ってる?と首を傾げる桃っちの情報に感服した。流石桃っち。情報はばっちり何スね。
「………まじで?お前が?赤司が?女に?えー…」
嘘だー、青峰っちの口がそう動く。まあ、俺と赤司っちがまじになるわけだから信じられないのも頷ける。
「―――…本気何スよ、今回は。赤司っちにも他の男にも、誰にも渡したくないんス。俺だけのものにしてしまいたい」
小さく呟いてみると驚いたのか青峰っちと桃っちは黙り込んでしまった。…変なことを云っただろうか?

この世界はソプラノで反響する
(気になるね、きーちゃんがそこまで本気になる子)
(だな。今度紹介しろよ、黄瀬)
(桃っちにはいいけど青峰っちには嫌っス)
(ああ?どういう意味だ、コラ)
(青峰っちは手出すの早いっしょ?だから絶対嫌)


title//花畑心中

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