06 : 目一杯、背伸び中 薄くグロスを唇に塗ってみた。髪を緩く巻いてみた。目に少しアイシャドウを付けてみた。 変じゃない、かな?巻かれた髪を少し触ってみる。銀魂高校は化粧とかファッションとか厳しい校則がないから、私がこんな格好をしても注意されることはないだろう。それに―――先生の横に並べるようになりたい、し。先生は大人で私は子供。どうしてもその事実は変わらない。だから少しでも大人っぽくして先生の横に並びたいなあ、なんて。 『(あわよくば先生にいつもと違うこと気付かれたいな)』 先生がいるであろう教科室をノックするまであと少し。 目一杯、背伸び中 (先生に可愛いと云って貰えるまであと三十秒) [しおり/戻る] ×
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