16 : 職員室で聞いた話 「さくらは国語以外だけだったら有名私立大にも入れるかもしれないのに」 銀魂高校で一番偉い理事長、基、婆さんの独り言のような発言にいちご牛乳を飲む手が止まった。この婆さんは全校生徒の名前と顔と成績がわかんのか。驚いてしまった。 「国語が、ねェ…」 「横目で俺を見んなよ」 まるで俺の教え方が悪い、みたいな目。俺はちゃんとやってると誤解を解いておく。 「どうにかなんないのかい」 「…ありゃあ難しいな。壊滅的だぞ。寧ろ国語だけあんな成績とる奴は初めて見た。悪ィが、俺には手の付けようがねェよ」 本人も努力はしてるんだろう。だけど努力をしても一般人の平均に届かない。なんとかしてやりたいとは思う。が、 「こればっかりは難しいな」 「…まあ、アンタが献身的に教えてやんな」 「勿論、そのつもりだ」 職員室で聞いた話 (アイツが頑張ると決めたんだったら、俺は全身全霊で支えてやる) [しおり/戻る] ×
|