13 : 昼食をおすそ分け 先生に告白をして数日が経った。想いが通じ合った当初は目が合う度に真っ赤になったり、放課後の補習をするのがなんだか恥ずかしくなったりしていたけれど、それも漸く落ち着いてきた、と思う。多分。銀八先生が云うには、神楽ちゃんの後押しもあった、とか。照れ臭いような有り難いような、なんとも不思議な気分だ。 「ももこちゃん、聞いてる?」 『ご、ごめん!なんの話?』 妙ちゃんと神楽ちゃんと机をくっ付けてお昼を食べていたんだった。申し訳ない気持ちで一杯になりながらお弁当箱の中に入っている卵焼きを箸でつつく。 「ももこちゃん最近ぼーっとしてることが増えたわね、って話」 『そう、かな?』 「そうよ」 多分、それは銀八先生の所為だ。だけどそんなこと妙ちゃんには云えない。神楽ちゃんはもう知ってるんだけど、流石に相手は先生だ。色々と問題になってしまうからここは我慢。勿論、妙ちゃんにも教えたいけど、 「しかも偶に顔を真っ赤にしてるし、」 『え!?』 「ここ最近、変よ?しかもすっごく可愛くなった。まるで誰かに恋してるみたい」 妙ちゃんの言葉に顔が真っ赤になった。そっか、私って周りから見てもそんな風に見えてるんだ。 「ももこ、彼氏が出来たアル」 『ちょ、神楽ちゃん!?』 「あら、そうなの?どこの馬の骨かしら?」 『そ、れはちょっと秘密かな』 「ももこちゃんがそう云うなら聞かないけど、いつか私にも紹介して頂戴ね」 『勿論だよ―――!』 昼食をおすそ分け (ありがとうの気持ちを込めてたこさんウインナーを二人にあげた) [しおり/戻る] ×
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