割れた烙印


微風に紛れる
懐かしい香り

遠い昔に見た
セピア色の うす焦げた

思い出そうとすれば
胸の奥に閉じ込めたはずの
黒雲が息を吹き返す

荒れる荒れる
私の思い

ないまぜになる
なにもかも

愛しさも
寂しさも
切なさも

狂おしいほどに
押し寄せる

ああ 私は
思い出してしまったんだ

こんなに心奪われていたと


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