※女の子猫耳化
※大人向けのお話





朝、少し早く起きて名前の顔を眺めるのが好きだった。一緒の布団で抱き合って眠ってしまえば、翌朝は疲れてるのか名前はなかなか目を覚まさない。普段はぱっちりと開いてなんも屈折させずに光とかをキラキラと反射させる大きな目が閉じられて、くーくー小さな寝息をたてながら眠る名前をいいことに、頭撫でたり瞼や頬にキスしたりする。寝ていても、くすぐったいのか身じろぎしたりしてほんま可愛いねん…!
布団からはみ出る白くて細い肩とか、中にある華奢な身体とか、シーツに広がる髪とか、全部俺のもので。昨日は俺の腕の中で可愛く揺れてたなぁなんて甘い記憶も蘇る。休日のお泊りっちゅうんはええもんやね。こういうの幸せって言うんやろか。普段は得られないような言葉には表せない気持ちが込み上げる。俺の愛しい小さな女の子は、起きていたら俺が見つめると恥ずかしがって俯いてしまう。それもそれで可愛いけど、こうして思う存分見てられるのも好きだ。なので、ふたりで一緒に過ごした朝は、俺は早起きをするんだが、今日は、なんだ。おかしい、いつもとちゃうねんなんやこれ…!いつものように彼女より早く起きて隣で眠る名前におはようのキスをしようとして見たら、絶句。



「なんで、猫耳がついとんねん…!」



すやすや眠る名前の頭に、髪の毛と同じ毛色のふわふわとした、猫耳。あれあかん夢みとるんかなぁ、俺の願望が幻覚をみせとるんかなぁ。しかし目を擦っても感覚はあるし、どう考えても夢ではない。ああせや、俺眼鏡かけとらんやん、やからよく見えんから猫耳が見えるやなぁって、俺伊達眼鏡やーん!軽く脳内パニックを起こしながらも猫耳の生えた名前を眺める。可愛いすぎない?この組み合わせ、やばない?もとから可愛い名前に、猫耳て…!
この耳はなんだ、一体。飾りものかとも思ったが、それならいつ付けたと言うんだろう。昨日の夜はなかった。寝てる間に付けたということもあるかもしれないが、疲れて眠ってしまった名前が、夜中に起きることはまずないし。隣で名前が起きたとなれば、俺が気づかないはずがない。じゃあ、これはなんだというんだ。

躊躇いながらも、頭部の耳に手を伸ばした。あれ、これ、生温かない?柔らかくて、感触は本物の猫のそれと同じだ。そして、きちんと名前の頭から、生えてる。髪の毛の中から、ぴょこんと。え、これ本物やん…!
ふと、思い出した。今週珍しく、日吉が部活も学校も休んだという。風邪かと思いきや、どうも違うらしい。滝に聞いてみたところ、「ああ、日吉は猫耳が生えちゃう病気にかかってね」って言ったんだ。その時はんなアホな何言うとんねんとか思ったものだが。やって、滝はそんな病気が流行ってるとか笑顔で言うんだ。そんなの信じられるわけないだろう。ニュースにも新聞にも載ってないそんな漫画みたいな話。
でも、今それが真実なんだとわかった。名前に猫耳が生えてる。これが噂の流行り病だ。ちゅうか日吉にこれがはえたってそら学校休むわなぁ。日吉は次の日はいつもとなんら変わらずに登校してきたし、そんな悪い病気じゃないんだろう。て、ことは。この状況は楽しまなくては損ではないか。


うずうずと、込み上げてくる悪戯心に自然と口許は緩む。今きっとかなり悪い顔しとると思う。
サラサラな髪を撫でて、猫耳にそっとふれたら、ぴくんと揺れた。それがくすぐったいのか、名前の口からんー、やぁって仔猫みたいな声を出した。その反応が可愛くて仕方なくて、内側のピンク色をした皮膚に生えてる産毛を、指先で触れるか触れないかの微妙な距離で指先でくすぐると、眠りながらも名前は嫌々と頭を振って身をよじる。うわっ、めちゃかわええこれちょお俺堪えられへんわ…!

未だ夢の中にいる名前の上に覆い被さって、体重をかけないように気をつけながら頭を腕の間に閉じ込めた。昨日とおんなじ体勢やね。口許が自然と緩むのを隠すことすら出来ない。俺が動いたことによって、布団が捲り上がり、名前の肌があらわになった。昨日のまんまだから、勿論裸だ。俺は下着だけ着ている状態で、もうテンションは俄然上がってくる。
ふたりで一緒に夜を過ごして、翌朝からまたセックスするなんていうのは日常茶飯事ではあるが、なにせ、今日の名前には猫耳がついている。最強や。これにはなんも勝たれへん。普段から小動物みたいに小っさくて可愛らしい名前なんに、獣耳なんてなんちゅうコンボやねん。しかも、敏感な獣耳だ、これは利用しない手はない、しないなんて、男が廃る。

そういえば、日吉のこの病気も日吉の彼女から伝染ったって聞いた。ちゅうことは、なに?日吉のやつもあの彼女とこんなやらしいことしたんやなぁ。ふと思えば、日吉の彼女と俺の彼女は仲が良かった。じゃあ名前もきっとあの子が感染源やなぁ、ええ仕事してくれたなぁ日吉カップル。グッジョブ、と、部活の後輩ん褒める気持ちも束の間。直ぐに欲望は頭を擡げて、そうしてしまえば他のことには俺は一切思考は働かなくなる。…目の前にいる、この子にだけ、名前にだけしか感覚もなんも反応せんよ。というより、普段から、名前のことで頭がいっぱいだから、こういときはもうパンクするくらい名前のことばかり考えてるんだ。もう、脳内の名前が溢れて死んでまうんやないかってくらい。ああ、それってめっさ幸せやん?


髪の毛の中に生えてる可愛らしい猫耳に唇を寄せて、はむっと咥えた。上唇と下唇で挟んですり合わせたら、予想通り敏感な耳には刺激が強いらしく、おまけに俺の息がかかるので、耳がヒクヒクと震える。感じてる、かわええなぁ。
しかし、それでも彼女は目を覚まさない。寝てる名前に悪戯をするのも楽しいが、どうも面白味に欠けるというか。起きてちゃんと俺のことをみて、名前を呼んでくれる名前じゃないと俺は満たされない。名前は、一度寝たらなかなか起きへんタイプやさかい、これは勝負やな。休みの日は寝坊したいという名前の欲求と、俺の欲求のどっちが強いか、試してやろうではないか。と、いってもこの勝負の結末は、始めから分かりきっているのだが。



いつも、名前の耳を舐めるのと同じように猫耳の内側に舌を這わす、ねっとりと。おまけにくすぐったがりの彼女の脇腹を下から上へ、触るか触らないかの微妙なタッチで撫で上げれば今度は耳だけじゃなくて、身体ごと跳ね上がるようにビクンとなる。ええ感じやね。
眠りながらの反応に気をよくした俺は、執拗に唇と舌で猫耳をはんだり舐めたり、付け根をくすぐったりして遊ぶ。それと一緒に利き手は腹から柔らかい胸へと辿っては悪戯するみたいに指で肌の感触を楽しむ。名前の肌はマシュマロみたいに柔らかくて甘くて、ふわふわしていて、なんやろ。幸せが詰まってるって言うんが一番しっくりくる表現やね。触ってると、幸せが掌を通して伝わってくる。特におっぱいなんて柔らかいし、触れば触るほどふにふにと手に溶けるように馴染むから一番好きだ。まあ、名前の身体なら全部好きやけど。寝ていても、名前は無意識に反応するし、ふわふわして可愛いすぎるから、思わず指で胸の先端を潰すと「ひぅっ」とないたかと思えば、今まで閉じられていた目が開いた。


「ああ、起きた?おはよ」

「う、うぇ、お、はよ、…ゆーし?」


まだ事態が飲み込めないのに、身体だけが気持ちよくてついて来れてないという戸惑いの顔。めっちゃかわええ。名前の眠りたいなんて欲求は、俺の名前を求める気持ちに比べたら微々たるもので、気持ちよくしてやれば負けるのはいつも名前だ。まだ眠たげな目が真ん丸になって俺を見てる、あかん、めっちゃ可愛い、泣かせたい。うずうず、込み上げてくる嗜虐心と言う名の愛情。昨日の夜みたくいっぱい俺の名前呼んで、な。


「ちょ、侑士、なにしてるの?」

「んー、かわええ猫さんに悪戯しよう思とってん」

「ん、…ねこ?」


猫という言葉に不思議そうに首を傾げる。なんや無自覚なんやね。俺に組み敷かれて猫耳つけて首傾げて見上げてくるとか、図的に超ヤバいんですけど。これはもう、俺に食べてっちゅう名前からのメッセージとして受けとってええよな。起きたばかりでなにも分かっていない名前の瞼や鼻先、頬に何度もキスをする。ちゅっちゅって音をいちいち立てて。名前はキスが好きやから、じゃれつくようにしてやれば、くすぐったそうに笑えば「なぁに、どうしたの侑士」って俺の首に腕を絡めてきた。もうそんなことされたら止まらへんよ、まあ、もとから止まるつもりなんてサラサラあらへんけど。
名前はちゅうとかくっついたりすんのが好きやさかい、朝起きたら俺が上に乗っかってるのにもまだ半分夢心地やからか特に気にする様子もない。今のうちにもっと気持ちよくしてやれば、簡単にこの子は俺の手の中に落ちるだろう。今度は唇にキスをしたる。待ってたのか、名前も目を閉じてそれに応じる。はじめは触れるだけ、から、名前もとろんとしてきたら、だんだん深いものに変えていく。


「ん…ゆ、し」


口の中にいるちっさい舌を絡めとって吸ったりする。昔はされるがままだった名前も、最近はようやっと恥ずかしがりながらも自分から絡めてくれるようになった。なんやろ、開発しがいがあるというか。キスもしたことなかった名前がこういうことするようになったんが全部俺の所為(ん?お陰か?)だと思うと、嬉しゅうて仕方ない。そうやねん、このこの身体も声も仕種も全部俺のもので、こうして俺にくっつくのが大好きでキスでうっとりしとる表情だって、全部俺だけが知ってればいいんだ。
キスしている最中、ずっとピクピク反応していた猫耳に手を伸ばす。耳たぶ言うんかなぁ、内側の縁の皮の薄い部分を指で挟んでそっと。すると、キスに夢中になっていた名前は驚いたように跳ねた。


「う、やっ、」

「ふふ、どないしたん?」

「や、侑士、なに、…っ!」

「んー、猫耳いじっとるよ」


どうやら、自覚がないのに、感覚はあるし気持ちいいしで混乱しとるみたいや。俺の下で慌てる名前、めちゃくちゃかわええ構図。しかも猫耳。自分の身体の変化についていけてない名前の狼狽する表情は見物だが、ちょっと可哀相なので、名前の細い手をとって、自分の手で猫耳に触れさせた。


「な、なに、これ」

「やから、猫耳」

「侑士…私が寝てる間に、つけた?」

「ホンマもんの耳やん。どないして俺が付けるっちゅうねん。名前の頭から生えとるやろ」

「ほ、本当だ…」


驚いて青くなる顔に、「なぁ?」って言ってクスクス笑ったら、名前はますます困惑して泣きそうになった。ちょ、猫耳で俺の下で涙目とか、反則やん…!

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