「ふたりで風呂は、ちと狭いなぁ」
「謙也くんが一緒に入ろうって言ったんだよ」
「まあな、たまにはええやろ?」
「今年最後だしね」
「年越し蕎麦も食うたしな」
「うん、美味しかったね」
「たまにはええやろ」
「たまにはいいよね」
「しかし、なんや、ほんま」
「なに?」
「自分ホンマに眉毛ないな」
「え、や、ほっといてよ」
「普段は前髪で隠れとるからよう分からんけどな、」
「むー」
「髪もぺったんこやし、なんか、こう、」
「なんか、なに?」
「変」
「変ってなに!」
「いや、ウソウソ、可愛え可愛え、」
「うそ」
「ホンマやて」
「謙也くんだって、髪ぺったんこで、ほっぺ赤いし、」
「自分かて赤いやん」
「なんか、」
「なんか?」
「…色っぽい、」
「ははは、誉めとるやん!」
「うるさい」
「素直なんか、素直やないんか」
「もー、うるさいってば」
「そういうんも、可愛え」
「頭撫でないでよ、子供扱いしないで」
「まだまだ子供やん」
「同い年でしょ、一体どこをみて子供というのよ」
「え、どこて、その…」
「…!胸をみるな…!」
「み、見てへんし!言い掛かりやん!」
「やだ変態!謙也くん変態!しかも小さくて悪かったわね!」
「しゃあないやん見てまうやろ!ええやん小さくて、そこも可愛えて」
「へー、ふーん、謙也くん小さいおっぱいフェチですかそういうのが趣味ですか」
「…小さいおっぱいやのうて、おまけにおっぱいだけやなくて、お前が好きなん」
「…」
「…黙るな」
「謙也くん…今日、おかしい」
「おかしない、普通や」
「ふーん」
「疑わんといて」
「疑ってはないけど、」
「けど、なん?」
「…恥ずかしい」
「ははは」
「もう、」
「可愛え」
「だから、恥ずかしい…」
「顔真っ赤やん、」
「…謙也くんがちゅうするから」
「したいんや」
「…ねえ」
「…なん」
「…ねえ、のぼせちゃいそう」
「のぼせてしまえ」
「今年は紅白みれなさそうね」
「でも、それもええやん」
「ううん、それがいいの」
「…やらしいやっちゃ」
「でも、謙也くんはそんな私が好きなんでしょう?」
「せやなぁ」
「私も、そんな謙也くんが好きよ」
「お互い様か」
「お互い様で似たもの同士」
「おん、じゃあ、似たもの同士愛しあいましょか」
xxx
(ちゅ、ちゅ、ちゅ)
2008年の産物
20100722