イヴのお話
※成人設定(お酒はハタチになってから!)
「メリークリスマスイーヴ、ひよ」
「イヴってなんですか、イヴって。メリークリスマス」
「だって本当にイヴなんだもん。ねえねえひよ」
「なんですか」
「なんかさぁ、日本人ってクリスマス当日よりイヴの方が盛り上がってる気がするよね」
「そうですね。でも日本の文化じゃないですし、いいんじゃないですか」
「そっか、いいのか、そっか」
「クリスマスだのなんだのなんて、ただのこじつけでしかないんだし」
「こじつけって、…なんか、冷めてるね、ひよ」
「だってそうでしょう。家族、友達同士、恋人同士が一緒過ごすためのこじつけた理由でしかないじゃないですか、そもそもいつからキリシタンですか」
「…冷めてるね」
「昔からこんなんでしょ」
「まぁね」
「そうです」
「…じゃあ今も、私とひよとがこうやっているためのこじつけ?」
「そう」
「ふーん」
「ロマンチックなこと言わないで残念ですか」
「ちょっと、でもいいの」
「へー、意外ですね。どうしてですか」
「こじつけでもなんでも、ひよがこうして私といてくれるだけでいいの」
「…」
「…」
「…」
「…ちょっと、なんで黙るんですか」
「いえ、」
「もしかして、きゅんときちゃった」
「馬鹿ですかアンタ」
「へへへ、ひよは可愛いなぁ」
「可愛い言われても嬉しくないです、てか、アンタは飲むな!」
「えー、ずるい!私もシャンパン飲みたい」
「ダメったらダメです」
「ひよばっかりずるい」
「アンタ、飲んだらすぐ寝るじゃないですか」
「けど、飲みたい、クリスマスじゃん」
「お子様にはやりません」
「ち、ひよのが年下のくせに」
「舌打ちをしない」
「……寝ちゃったら、いやらしいことしちゃったっていいんだよ、ひよ」
「…!」
「……なんちゃって、てへ」
「ア ン タ、」
「あ、ひよ怒った」
「別に、怒ってませんけど…」
「…けど?」
「…俺は寝てないアンタにいやらしいことしたいです」
「…!?」
「……、なんちゃって、」
「ひ、ひひひひよ…!」
「いや、」
「え、」
「なんちゃって、じゃ、ないかも、な」
「…へへ」
「…なんですか、」
「ひよ、もう、酔っちゃった?」
「みたい、ですね。ねえ…キスしていいですか」
「ここで訊くんだね」
「一応」
「断ったらどうするの?」
「しますけど、」
「聞く意味ないなぁ、」
「うるさい」
「…いいよ、」
メリークリスマス
2008年とかの産物
20100722