3月のライオン | ナノ
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うわさばなし


「最近宗谷のやつと仲いいらしいな」
「最近、すっごい美女と私が後藤さんをめぐって泥沼の三角関係にあるとか勘違いされて困ってるですけどっ!?」
「その話、島田が聞いて顔引きつってたな」
「訂正してくれたんですか?!」
「いや?鼻で笑ってやった」
「・・・・・・・・・(後藤さんが実はゲイだって噂流してやる!!)」
「脈は無きにしも非ずか、あいつも大概物好きだからな」

ぽん、と後藤さんの大きな手が私の頭を撫でた。

「まぁ、頑張れ」
「・・・・・・後藤さん!!」

今度何か香子ちゃんと美味しいご飯でも作って差し入れてあげよう!
一瞬前の殺意も忘れて私はそんなことを考えていた。
酷いことばかりいって、素直になれないツンデレ後藤さんのたまに見せるデレのターンを私はとっても可愛いと思うのだ。


島田さんがやきもちやいてくれたのかもしれないとか考えるだけで、あ、もう鼻血が出そう・・・・!


嬉しくて、感極まった私が後藤さんの腰あたりに腕をまわして抱きついているところを、島田さんが見ていて、更には「やっぱり噂は本当だったんじゃ・・・」などという勘違いを深めていたことを私は後になって知ることになる。
マッタク、後藤さんに関わるとろくなことにならない!!


「島田さん違いますっ!私は島田さん一筋なんですぅううううううう!」


誰だ、島田さんラブとかいうのはアレ実は後藤との不倫隠すためのカモフラらしいぜ?なんて真っ赤な嘘で塗り固められた噂を流したのは!!
いや、検討はついているのだ。
ツンツンツンツンとんがりまくってめったにデレない後藤さんには味方よりも敵の方が多いから。
つまりは結局あの人のとばっちりを食らっているだけなのだ。


「こんな陰険意地男とはやってけませんてば!」

ぽかり、と後藤さんから拳骨を喰らった。
それがまた『喧嘩するほど仲がいい』なんて噂になっていくのだからもうどうしようもない。負のスパイラルである。
「私は島田さんが好きなんですっていってんじゃないですかァアアアア」


悲しみにうちひしがれる私の肩をそっと叩いて零君が言った。
多分、本人は慰めようとしてくれたんだろうけれども・・・・・・・。

「人の噂も75日っていいますし・・・」

「あと75日もコレに耐えろというの零くん?!」


願わくば、一日でも早くこのくだらない噂が忘れ去られますように。