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ボーダーGO


開発室はアフトクラトルの技術に大盛り上がりだった。中でも『立方体』『諏訪さん』と茶化されるように呼ばれることになる、トリオン体のキューブ化は話題の中心だった。

「あれは新発想だった」と芦花藤子はこぶしを握って熱く語る。
「盲点だったよな」と冬島もそれに同意した。

開発室の資料研究部の部長(部員はゼロ)の春もうんうん、と腕を組んで頷いた。

「けどあれ見てさ、捕まる瞬間のポ○モンってこんな気分だったんだなって思ったよ」
「それな」
「わかる」
「恐ろしいゲームだったんだなアレ」
「無差別だもんね。怖い」

開発室に属しているが元攻撃手の寺島は、遠目にみているだけだ。

「あの発想、すでにあったわけだよね。思いつかなかったわ〜」
「懐かしみがあるね」
「諏訪さんに詳しい聴取したレポートあるけど、やっぱね、うん、恐ろしいシステムだよね」

顔を見合わせる。

「けど面白いよね」
「興味深いわよね」
「やりたいよな」

オタクが三人集まると、面倒事しかおかさない。とは東の言である。寺島止めろよ、と言われるが彼は基本放置主義だ。

かくして三人はこっそりと開発を始めたのだ。



***



「じゃじゃーん、その名も『ボーダーGO』!ボーダー隊員のみダウンロードできるアプリゲームだよ!いだっ」

東の強烈なつっこみが春にさく裂した。

「なにを、やってるんだ、お前は」
「私だけじゃないってば!」
「芦花と冬島さんだろどうせ」
「正解。あ、まてアズマ!」

東隊の作戦室付近はアズマ ハルアキの出現ポイントである。
残念ながらトリオンキューブ化に失敗し、アズマのアイビスがさく裂して逃げられてしまった。


「まだ身内だけでやってるんだけど面白いよ?」
「・・・・開発室は暇なのか」
「寝る間を惜しんで開発した。システムは藤子ちゃんと冬島さんで、隊員のデータとかは私が資料提供した」
「個人情報だろ」
「流出はしてない」
「一番たくさん出現する隊員は諏訪君なんだ」
「諏訪が切れる姿が目に浮かぶ・・・」
「いやでも自分のとこの隊員が隊長のキャラおっかけてキャッキャしてたらほだされるはず。」

ジムバトルの代わりにランク戦バトルが設定されているし、ポケストップならぬトリガーストップに行けばアイテムも貰えるシステムである。渾身の出来栄えに開発室一同が自信をもってお届けできるボーダー内アプリである。

「ブラトリの迅くんとかレアキャラなんだよ」
「春もいるのか」
「いる。オペレーターちゃんたちも混ざれないとさびしいでしょ?」

春のアプリを見せられる。

「……ニノミヤが多いなお前」
「うん?あ〜、なんかねうちの資料室めっちゃ二宮君のレア出没ポイントみたいなんだよ。めっちゃ出る」

出現ポイントの設定に明確な意図を感じて東は深いため息をついた。芦花藤子は二宮をからかいたおすのが趣味の女である。

「ちなみに響子ちゃんによって本部長は説得済み!」

それは本部長をゲットしてニヤニヤしたいだけだろう沢村、お前ツッコミとして機能してくれ、と同期にがっくりと肩をおとした。







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