単発夢 | ナノ



かまってちゃん(ジョルノ)


昼下がりのアジトで、昼食も済ませた私は、ついこの間発売されたゲームに没頭していた。
的確に敵モンスターをなぎ倒していく私の携帯ゲーム機の液晶を、隣でナランチャが興味深げに見つめている。
「すげー!何だ今の技!かっけー!」
「ふふふ、派手でいいでしょ。習得するの大変だったんだから」
私は得意げにその技を連発する。
その度にナランチャがうおー!すげー!と声をあげる。
私はもう上機嫌だ。
ルンルンと気分よくゲームをプレイしていると、ナランチャとは反対側の隣に座っていたジョルノが、コツンと肩に頭をぶつけて来た。
「ん、どうしたの、ジョルノ」
「…随分楽しそうですね」
少し拗ねたような口調。
たまに見せる彼の年相応の顔だ。
「読書の邪魔だった?」
カチャカチャと操作を怠らずジョルノに話しかける。
「…別に」
それにも何か不満があるようで、ジョルノは肩に寄せた額をグリグリと擦り付けてくる。
そんな事をするせいで、ジョルノの綺麗に整えられた前髪がハラッと乱れる。
「もー、可愛いけど邪魔しないで。今からボス戦だから」
手があいた隙にジョルノの頭をポンポンと叩くと、隣から何とも言えない不満そうな空気を感じた。
「ゲーム、やめてもらえませんか」
「無理よ。さっきも言ったけど今からボス戦…」
言葉の途中で、頬に手を添えられ、顔をぐいっと強引にジョルノの方へ向けられた。
「ちょっ…」
私は咄嗟に一時停止ボタンを押す。
「…ジョルノ、あまりしつこいと可愛くないわよ」
私が少し怒った口調で言う。
「あなたも読書してればいいじゃない。うるさいなら部屋を移るけど」
「僕はいいんです」
何て理不尽な言い分だろう。
「何それ」
私はあからさまにムスッとした口調で言い返す。
するとジョルノも何かにイラついたような顔で、私の耳の後ろを撫でながら言った。
「あなたは僕だけ見ていればいいんです」
少し居心地の悪そうにそう言ったジョルノを見て、私は胸がキューンと高鳴った。
「…ナランチャ、ゲーム貸してあげる」
「マジで!?やったぜー!」
私は一時停止したままのゲーム機をナランチャに渡し、未だに私の耳を弄るジョルノの手をやんわりと掴んだ。
ジョルノは満足気に笑っており、今日はこの構ってちゃんに構ってやってもいいかなと思った。
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