単発夢 | ナノ



恋に落ちる音がした(ジョルノ)


私はいわゆる面倒くさい女なのだ。
少しの事で喜んだり怒ったり、そう言った所が面倒くさいのだとよく言われる。
そして今ついさっきも、そう言って何人目かの彼氏に別れを告げられた。

「うわーんまた振られたー!」
私は派手にわんわんと泣きながら、アジトのテーブルに突っ伏していた。
入ってきた時にはアバッキオがいた筈だが、あいつも面倒くさいと言った顔で外に出て行ってしまった。
「あんなに好きだって言ったじゃない…酷いわ…男なんて信じられない…」
誰に言うわけでもなく独り言ちる。
毎回振られるのは私の方で、流石に自分に自信がなくなってしまった。
私はそんなにダメな女なのか…。
自己嫌悪に浸っていると、私の啜り泣く声だけがしていた部屋に、キィと扉の開く音が響いた。
「あ…」
「また今回も酷い顔ですね」
そう言って入ってきたのはジョルノで、私の顔を見て笑いながら、片手でドアをパタンと閉めた。
「その様子だと、また振られたんですね」
「うるさいいい…放っておいてよぉぉ…」
そう言って私はまた目からボロボロと涙を流した。
私が振られて泣いていると、こうしていつもジョルノがどこからか現れる。
そして何も言わずハンカチを差し出すのだ。
「目が真っ赤ですよ」
「うぅ…うううう」
ジョルノに涙を拭われながら、私は声にならない声を出した。
ジョルノの指はお日様のように暖かくて、安心してポロポロと自然と涙が流れてしまう。
優しされるのが嬉しくて、振られた事が悲しくて、頭がいっぱいいっぱいだった。
「…」
目を伏せて静かに泣く私を見つめ、ジョルノは何かを考えているようだった。
「そんなに泣かないで下さい」
そう言ってクイッと顎を持ち上げられ、目線を合わせられる。
私は泣いてぐちゃぐちゃになった顔を見られるのが恥ずかしくて振りほどこうとしたが、ジョルノはそれを許さなかった。
「ジョルノっ…?」
「…僕にしておきませんか?」
そんな私に、ジョルノは更に混乱するような事を言った。
「…え?」
「僕ならあなたを泣かせたりしない」
頬を両側から包み込まれる。
ジョルノの真っ直ぐに澄んだ目で見つめられて、いつの間にか涙なんて止まっていた。
「あなたが、好きです」
僕が何故毎回ここに来るのか、考えた事がありますか?
そう呟いて、彼は私の目元にちゅっちゅっとキスをした。
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