単発夢 | ナノ



※ごめんね、愛せなくて(ジョルノ)


「ん、あ、んっ」
下から突く度に控えめに溢れる声。
一体誰のことを考えているんだろう。いや、きっと誰のことも考えていない。
狭い部屋の安っぽいベッドの上で、僕はふとみゆを見下ろす。
部屋の電気はついていない。カーテンの隙間からチラチラと覗く夕日だけが彼女を照らしていた。
白い肌が眩しい。触れると蕩けてしまいそうなこの肌が、自分のものではないと思うと急に物悲しくなる。
「んあっ!」
僕は何も考えないよう、みゆの秘部に勢いよく腰をぶつける。
ガンガンと自分本位に腰を打ち付けても、彼女は壊れた人形のように同じ嬌声を上げるのみだ。
胸を鷲掴み、最後はみゆの体を強く抱きしめて、僕は果てた。
「はあ、はあ…」
みゆを抱きしめたまま、僕は射精の余韻に浸る。
今日も彼女はどんな体位で、どんな風に攻めても、わざとらしい嬌声をあげるだけで心は全く別の場所にあるようだった。
彼女の気を引くために始めたこの行為が、酷く僕を傷つける。
冷静になってきた頭でそんな事を考えていると、なされるがままだったみゆの手がふと僕の背中に回された。
「ごめんね、愛せなくて」
控えめに抱きしめて、みゆはそんな残酷な事を言う。
「いえ、いつか…」
そう、いつか。いつかどんな感情でも僕に向けてくれる日が来るのならば。
そうして僕は、今日も惨めに涙を流すのだ。
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