ジョルノ様は神様です! | ナノ



眼鏡と彼女


日も沈んだ頃、僕ときょうこはアジトで各々自由に過ごしていた。
今日の僕達の任務は留守番だ。
学生の僕達はどうしても集合するのが遅くなってしまう。
なのでこうして留守を預かる事は多いのだが、二人で残されたと言うことは、まだ配慮が続いているようだと感じる。
「…」
何気なく眺めていた窓から、机に向かっているきょうこに目線を移す。
僕の向かいの席でせっせと問題集を解いている彼女は、普段と違って眼鏡をかけていた。
それが彼女を少し知的に見せ、髪を耳にかけるその仕草さえ、何か新鮮さを感じる。
「今日は眼鏡なんですね」
頬杖をつき、何気ない言葉を投げかけると、きょうこはぴょんっと顔を上げて、少し照れくさそうに笑った。
「はい、気合を入れる時にはいつもかけてます!」
そう言えばもう少しで期末試験だ。僕ははなっからやる気が無いが、きょうこはギャングも学業も両立したいようだ。
気合を入れて試験勉強に励む今の彼女は、その辺にいるただの女学生に見える。
それが何だか愛しくて、僕はきょうこの頬をスッと一撫でした。
「…?」
きょうこはポカンと、何とも絶妙なアホ面を晒す。それが何だか、とても可笑しい。
「意外と似合っていますよ。いつもかけていればいいのに」
少しは賢そうに見えますよ、と付け加えると、きょうこはえへへと眉を下げた。
「でも、ドンパチする時は邪魔なので」
…前言撤回だ。”その辺にいるただの女学生”はこんな事は言わないし考えもしない。
しかしそこが彼女の魅力なんだろう。学業もするが、ギャングもするという。
そんな事を考えながら僕がコーヒーを飲もうとすると、きょうこがそれに、と口を開いた。
「それに、ジョルノ様の事は、出来る限り裸眼で直接見たいんですよ」
「……っ…またあなたはそう言うことを」
飲みかけのコーヒーでむせそうになり、僕は一つ大きく息を吐いた。
…こうしてさらっと言われる一言に、たまに凄く動揺してしまう自分が、酷く滑稽だ。
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