ジョルノ様は神様です! | ナノ



女の子の日


毎月この期間がくると、女に生まれた事を後悔している。
ギャングであるなら尚更、こんな事で引けを取るわけには行かず、どうにか我慢して過ごしてきた。
そうしているうちに、この痛みに強くなってきた。
なってきた、のだ、精神的には。
「うぅ、ぅ…」
私はアジトのソファに丸まり、お腹を押さえて悶絶していた。
どんなに精神的に強くなれても、痛いものは痛いのだ。
薬は飲んだ、後はもう我慢の世界だ。
どうにか今日の任務は終わらせたが、もうここから家に帰れるかも怪しかった。
今日は特に酷い。まるで子宮をフォークか何かでガリガリと削られているようだ。
頭がぼーっとして、痛み以外何も考えられなくなりつつあった。
「痛い…っ痛い…」
口に出せばマシになるかと思ったが、ならない。全くならなかった。
私が涙目でグッ…と耐えていると、誰もいなかったアジトに誰かが帰ってきた気配がした。
「…あ」
「おや、きょうこ一人ですか」
「はい…っ」
私はそう答えるのがやっとで、ぎゅううとお腹を押さえる。
ジョルノ様を見て余計に子宮が痛み出した気がする。どうなっているんだ私の体は。
「…どうかしましたか?どこか負傷でも…」
GEで治しましょうか?と、ジョルノ様が優しく話しかけてくれる。
しかしごめんなさいジョルノ様。
この痛みはスタンドでは治せないのです。
「いえ、あの、っあれです…生理痛です…っ」
男性に、ましてや好きな人にその単語を言うのはとても恥ずかしい事で、私はぎゅううと丸まり顔を隠した。
ジョルノ様も、あ…と察したようで、少し気まずそうに目線を逸らした。
「それは、GEではどうしようもありませんね…」
お役に立てずすみません…と、ジョルノ様が近付き背中を優しく撫でてくれた。
暖かい、とても落ち着く手だ。
「うぅ…ジョルノ様に10ヶ月間、生理を止めてもらいたいです」
「…殴りますよ」
ジョルノ様は呆れた声でそう言ったが、手は優しく体に触れたままだった。
「そう言うことは冗談で言わないで下さい」
「私はいつだって本気ですぅ…!」
ギリギリと痛む腹に涙目で言うと、ジョルノ様は背中を撫でていた手を退けた。
「…へぇ」
ふっと顔を上げると、少し意地の悪い笑みを浮かべたジョルノ様が私を見下していた。
「なら、しますか?」
「へ?」
肩に手を置き、ぐいっと私をソファに仰向けに倒すと、ジョルノ様はそこにふわっと覆いかぶさった。
そして耳元に唇を寄せられ、いつもより低いトーンで囁かれる。
「こ づ く り」
私は耳からジーンと脳内が蕩ける感覚に、クラクラと思考が止まりかけた。
「えっえええっ」
「あなたから誘ってきたんでしょう」
そう言って、ジョルノ様が私のブラウスを焦れったくめくり上げる。
「さ、誘ってないです!」
私はあまりの展開に生理痛など忘れたかのように慌てた。
私は憧れのジョルノ様と何をしているのだろう…!
「でも、いつでも本気なんでしょう?」
「ほ、本気です、けど」
する…とヘソの辺りをジョルノ様の手で撫でられる。
こそばゆいような気持ちいいような感覚に、体が大袈裟なくらいビクンッと跳ねる。
それをジョルノ様は満足気に見つめる。
そしてブラウスのボタンをプチ、プチ、と一つずつ外して行き…。
「だ、ダメですー!」
私は出来る限りの力でジョルノ様の手をぎゅうっと掴んだ。
ジョルノ様は予期していたように、余裕の笑みでこちらを見つめる。
「こ、こう言うことは、その、好き同士じゃないと、しちゃダメなんですよ…?」
上目遣いにそう言うと、ジョルノ様は一転、面食らったような顔で数秒固まった。
「ジ、ジョルノ様に気持ちがあるなら別ですが!いやっでも、それでもちゃんと段階を踏まないとっ」
私があわあわと一人で騒いでいると、ぴとっと下腹部にジョルノ様の手が当てられた。
「ひうっ」
先程のこともあり、私はまたビクンッと反応してしまった。
「ジョルノ様ぁ…」
あぁ、私はここで、想いが通じ合わないまま、体だけの関係になだれ込んでしまうのでしょうか。
私が嬉しいような悲しいような気持ちに苛まれていると、ジョルノ様がポツリと言葉を吐いた。
「…前に」
「はい?」
「前に僕の手が、暖かいと言ってくれましたね」
確かに言った記憶が、曖昧ではあるが、ある。
確かメンバーでの飲み会の時だ。
「暖めると、少しは痛みも和らぐんじゃないですか」
そう言って、暖かな手を私の下腹部にピトリと添えてくれた。
不思議なもので、ただそれだけで、本当に痛みが和らいだ気になった。
私は緊張が溶けてホッ…と体の力を抜いた。
「何だ…びっくりしました」
あのまま食べられちゃうのかと思いましたと冗談交じりに言うと、ジョルノ様は曖昧に笑い、私の頭をコツンと軽く叩いた。


その後帰ってきたミスタに盛大に誤解されるのは、また別のお話。
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