彩るのは君とだから





「まぁ、綺麗」

 同じ傘の下で妙が呟く。梅雨の風物詩とも言える紫陽花が雨に打たれて揺れる。
歩き慣れた道に咲いているなんて知らなかった。
妙の声で初めて気づいたのだ。
 普段は気にならない些細な光景も、目に映る景色が一瞬で変わる事を最近知った。妙と居るだけで世界はまた違った意味を持つと。


2016.06.24





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