キスの日2016





触れながら桃のようだと思った。
淡く色づいた表面は誘うように艶やかで、惹かれるように吸い付けばそれは極上の甘さ。舌でなぞればぴくりと跳ねる。
同じ色をした舌先を絡め取れば、甘さは増してやがて舌先が痺れてくる。

厄介だ。

男は喉の奥で嗤う。
苦しそうにもがく女を掴まえたままもっとと欲した。




2016.05.23





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