新雪の報せ




 凍てつく寒さに目を覚まし、障子を開けば庭一面が真白に包まれていた。
 
 初雪だ。
 
 隣で寝ていた筈の男の姿はすでになく、温もりの消えた布団だけがそこに残る。縁側からもう一度庭を覗くと、雪の上に真新しく点々と残る足跡。 

 日が昇る間際まで隣に居たのだと、じわりじわり温もりが蘇るようだった。





2016.02.23





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