白く纏うそれを
静まり返った部屋に響く衣擦れの音に堪らず振り返る。
キスの合間に乱してしまった髪が妙の項にかかり、月明かりに照らされて薄らと白く浮かび上がる襦袢からは透けて見えた黒のレースに思わず喉が鳴る。
少女から女、幼さはとっくになりを潜め、艶やか黒髪が妖艶さを秘めているようで目が離せない。
了解を得るまで振り向かない約束はとうに頭からすり抜けていた。
高鳴る鼓動に任せるように、背を向ける女が無性に欲しくて肩から衣を抜く前に掻き抱いた。
フォロワーさまより頂いたお題より『襦袢』
2015.07.30
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