指令違反
台所に立つ妙の背後に立ち、鼻歌を口ずさみながらフライパンを持った手を後ろから掴む。
「銀さん?」
振り返ろうとした妙の首元に唇を押し付けた。
「俺が今なに食べたいか、分かる?」
背中にピッタリとくっつくと腰に手を回して引き寄せる。
「だ、から…あの、たまごやッ」
熱くなった首筋を生え際に向かって舌を這わした。身震いをしてフライパンを置いた妙の手から手を離し、そのまま顎に添えると後ろに向けた。
「ちげーだろ。」
困惑した妙が何か言葉を吐き出そうと動いた唇を塞ぐように唇を押し付けた。腰に回した手をさらに強く引き寄せる。
「…食いてぇのはこっち」
口を開いたまま顔を赤く染め上げて怒りに震え上がる妙が満足そうに口角を上げる銀時に、鉄拳を繰り出そうとするも上手く避けられさらには腕を抱き込まれてしまった。
「おうおう、やる気満々だな。じゃー部屋変えて銀さんに頂かれようかァ?」
抵抗する妙を抱きかかえると銀時は背後の人物にこそりと目配せをした。
(ぱっつぁんよォ、俺は任務遂行した。後は頼むぜ)
まるでそう伝えるように台所から部屋の奥に消えようとした銀時に、陰で見守っていた新八が堪らず飛びたした。
「姉上を止めろと言ったけど、姉上にき、キスをしろとも頂けとも言ってねぇェェェこの腐れ天パァァ!!」
晩御飯戦争
2014.11.10
2014.11.10