酔ったとは言わせない





キスをされている。軽く合わせる程度なら未だしも、口を割るように生温かい舌だ入り込んで来た。男の吐息には仄かに酒の匂いがした。酔うほど飲んだだろうか――
一瞬、考えが浮かんだが男の舌が這いまわるように、妙の思考まで奪っていく。
いつの間にか背中に回された腕が熱を放つように熱い。

いよいよ息苦しくなった妙が、男の胸を押すように抵抗する。案外あっさりと男の腕は離れた。
目の前の男の口が動く――これで酔いに任せた行為だと、言い逃れをしようとするのなら。
妙は右袖下で、強く拳を握った。





 銀→←妙





2014.06.15





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