なんて身勝手な願い





視界いっぱいに映る桃色。背を向けた女の首筋が下を向く度に見え隠れする。触れたい。しかし、手当てされたばかりの身体は首を動かすので精一杯だった。

「包帯もただじゃないのよ」

冷たく言い渡し、一向にこちらを向こうとしない女の顔が見たい。約束なんて守れないくせに、欲しいと思う俺をどうか。




2014.08.19





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